日産は欧州市場向けに大型商用バン「インタースター」の次世代モデルを発表した。ディーゼル仕様と共に、同クラスで日産初となるEV仕様の「インタースター-e」もラインナップした。
トラックらしいデザインを特徴とする独特のフロントグリルなど、エクステリアからインテリアまでデザインを刷新した。商用車として「より働きやすく、より暮らしやすく」を実現する、事業者がまさに必要とするクルマを目指している。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/日産自動車株式会社
日産の大型商用バンに初のEV
日産自動車の子会社である欧州日産自動車会社(以下、欧州日産)は、2024年2月7日、新型大型バン「インタースター」を発表した。
様々な用途に対応できるようニーズに合わせたカスタマイズが可能なモデルで、ディーゼル車のほかに日産の大型商用バンとして初めてとなる100%電動パワートレインを搭載する「インタースター-e」もラインナップした。
インタースターは日産とアライアンスを組むフランス・ルノーの「マスター」がベースとなっており、新型インタースターもおそらくルノーが2023年11月に発表した新型マスター(第4世代)がベースと思われる(ちなみにマスターは燃料電池仕様のプロトタイプ車も公開されている)。
「大型バン」とはいえマスターは一部車型にラダーフレームの設定があるなど、トラック同様の架装が可能。インタースターもあらゆる業種・業態のニーズに応えるよう効率性、積載量、乗り心地を重視して設計しつつ、トラックらしいデザインを特徴とし、独特のフロントグリルにより存在感を一層高めた。
ディーゼル仕様では高トルクに対応する9速オートマチックトランスミッションを備え、クラストップの省燃費を実現するなど、実用性とパワーを追求し商用車に求められる信頼性と力強さを象徴するモデルとなっている。
新型インタースターは「ティッパー」(=ダンプ)、「ドロップサイド」(=アオリ付き平ボディ)、「ボックスバン」(箱車)など、幅広いコンバージョンモデルを完成車としてラインナップしている。
大容量の貨物の積載から、長距離の走行、車室空間の拡大、重量物の運搬まで、あらゆるニーズに対応し、全車に5年または走行距離16万kmまでの一般保証、そしてインタースター-eのバッテリーは8年または16万kmまでの特別保証が付帯される。
電動の新型インタースター-eは日産初の100%電気駆動の大型商用車となるが、性能に妥協することなく、持続可能な商用車を目指して開発された。
87kWhのバッテリーを搭載したモデルは航続距離は最大460kmを実現し、安心して複数の目的地を回ることができる。わずか30分で航続距離252km分の充電ができる急速充電(DC充電)機能を備えている。
40kWhバッテリー搭載モデルでも30分の充電で200km以上を走行することが可能。また、普通充電(AC充電)により4時間で電池残量10%から100%までの充電が可能となっている。
インタースター-eは、主に市街地での走行を想定して開発されており、様々な環境負荷に関する法令に適合している。環境配慮が必要な都市部でも安心して運転することができ、より良い社会の実現に貢献する。