2024年問題が直撃する春の引越しシーズン!!　「引越し難民」急増予想で今年はピンチに!?

　今年は「2024年問題」という課題に直面することになる春の引越しの繁忙期。その実態について、引越会社143社が加盟する引越しのプラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」を運営するリベロが引越事業者に調査を実施した。

文／トラックマガジン「フルロード」編集部、写真・図／写真AC・リベロ

「2024年問題」が引越業界に与える影響

　2018年に施行された「働き方改革関連法」による、ドライバーの「時間外労働時間の上限規制」が引越業界にも大きな影響を与えることが懸念されている。

　とくに2024年の引越しの繁忙期においては、引越業者の人員不足や労働時間の制限による引越サービスの提供時間短縮が予想され、引越しをしたくても引越しができない「引越し難民」が発生する可能性が高まっているという。

　総務省が発表する「2014～2023年の3大都市圏の転入超過数の推移」データでは、2021年～2023年の移動者が増加傾向にあることが明らかになっており、それと同時に引越し申し込み件数は増加することが予想されている。

　では、これらの影響が引越し価格にどのような変化を生じさせるのだろうか？

　引越しの成約単価の相場予測では、春の繁忙期の引越し単価は昨年より上がると64％もの引越業者が予測した。その理由として下記のような声があがっている。

・現在の件数や単価の増加、増額傾向にあるため（株式会社レディアス / 東京都）
・2024年問題の影響、労働時間の問題など（恵実物流株式会社 / 東京都）
・原料高騰（スター引越センター / 神奈川県）
・件数を抑える予定があるため (株式会社イナミコーポレーション / 愛媛県)
・2024年問題および原価高騰により　(株式会社NBSロジソル / 大分県)

2024年春「引越し難民」は発生するのか!?

　2024年春に「引越し難民」が出ると回答した引越会社は49％となり、約半数は発生するとの見通しを示した。これは昨年より17％も多い結果だ。

　「引越し難民」が出ると回答した引越会社からは、

・ファミリー層が難民になるかと思われます（株式会社ジョイプラス / 北海道）
・需要と供給がまだ取れてないため（ひまわり総合サービス / 東京都）
・毎年発生するから（株式会社新静岡引越センター / 静岡県）
・毎年発生しているので、今年も例年通りだと想定します（株式会社キョウトプラス / 京都府）
・コロナの緩和、2024年問題により引越会社の受注がとりづらい（株式会社九州協栄 / 福岡県）
・今年は3月30～31日が土日と重なり例年以上に引越しの希望日が集中するため、「引越し難民」の発生確率が高くなると思う（社名非公開）

……などの声があり、「引越し難民」が発生すると予想した理由はさまざまだった。

　調査結果により、2024年の春の引越しの繁忙期に「引越し難民」が発生する可能性や引越し価格が高騰する見込みは高いと予測され、物流の「働き方改革関連法」が施行される2024年4月からは、引越し手配に少なからず影響を及ぼすはずだ。

　以前からいわれていることだが、「引越し難民」にならないためには、早めの手配や可能な限り繁忙期といわれる3月、4月から引越し時期をズラすなどの対策がこれまで以上に必要になるかもしれない。