ニューモデルは「ギガ顔」のクエスター!
S&Eシリーズはクエスターの同型車ではあるが、いすゞデザインセンターによって、オリジナルのフロントデザインが仕立てられており(設計実務はUDが担当)、ヘッドライトには前述FXシリーズと同じユニットを装着するなど、国内向け「ギガトラクタ」(ベースはUDクオン)と同様の差別化手法が用いられている。さすがというべきか当然というべきか、見事にいすゞ車の顔つきになっている。インテリアは、ギガトラクタではいすゞ独自の内装色を採用しているが、S&Eシリーズではエンブレムの変更に留まるようだ。
展開車型は、車両総重量(GVW)25~41トンの単車型・Sシリーズと、連結車両総重量(GCW) 36~80トンのセミトラクタ車型・Eシリーズで構成される。旧EシリーズではGCW60トンが上限だったが、新EシリーズはGCW60トン以上の超重量級トラクタレンジを設定し、ラインナップを拡充した。
さらに従来のC&Eシリーズに対して、リア駆動軸にハブリダクションを組み込んだオフロード走破性の高いモデルを新設し、一部市場に留まっていたAMT(電子制御機械式自動変速機)搭載車については全市場へ導入を拡大するなど、商品力もより充実したものとなる。
今回のリリースではパワートレーンについて触れられていない。現行型クエスターでは、10.8リッター直6の「GH11E型」と7.7リッター直6の「GH8E型」の2機種のエンジンを設定し、仕向け地で施行される排ガス規制(Euro-3/-5/-6)にもそれぞれ適合済みで、トランスミッションは6速・9速・12速の各マニュアルと12速AMT「ESCOT(エスコット)」が選択できる。ちなみに、いすゞ栃木工場で生産を開始したカミンズ設計の6.7リッター直6エンジン・DB6A型は、GH8E型と同じセグメントのエンジンなので、いますぐではなくとも、このクルマにも搭載される可能性があるのでは?と筆者は考えている。