伝説のクルママンガ『頭文字D』の意思を現代に受け継ぐ新世代のクルママンガ、『MFゴースト』。2017年の連載開始時から圧倒的な読者人気を獲得しており、13巻発売時点の現在で、ついに単行本累計発行部数320万部を突破している。
当連載では、同作品内で繰り広げられる『MFG』で活躍するドライバーや、主人公・片桐夏向の周囲を取り巻く人々など、魅力あふれる登場人物たちの人となりを分析し、そのキャラクターや人物像を明らかにしていく。
今回は、満をじして主人公・片桐夏向を取り上げる。彼はなぜ日本へやってきたのか、そして天才的ドライビングテクニックはどこで養われたものなのか、ラウンド3終了時点で判明している彼に関する情報を総ざらいする。
文/安藤修也
マンガ/しげの秀一
■両親、そして生い立ちの謎
「カナタ・リヴィントン」こと日本名「片桐夏向(かたぎり かなた)」は、日本人とイギリス人の血を引く19歳の青年だ。祖国、イギリスの名門レーシングスクールでドライビングを学び、日本で参戦したMFGでその実力を遺憾なく発揮して、MFG関係者や世界中のファンを驚かせている。
英国人らしく長身で筋肉質、顔立ちは日本人に近く、純粋そうなキラキラとした瞳など、あどけない表情も見せるが、キリッとしている時はかなりのハンサムガイである。性格は、いかにも英国紳士のような優しさと礼儀正しさを持ち合わせており、ドライビング中であっても感情的にならないよう努めている。
ただしシャイな一面も持っているため、それほど社交的ではないものの、日本語は日常生活でも困らないレベルで使いこなしている。彼のピュアさを感じられるエピソードといえば、牛丼、ホルモン、天丼、しらす丼、ファミレススイーツ、チョコ系の菓子など、日本のさまざまな食べ物と出会うたび、その美味しさに涙を流すほど感動している姿が見られる。
イギリス人の母親であるキャサリンを亡くしたあと、祖父母のいる英国を離れているが、日本を訪れた理由については、本人が「行方不明の父親(片桐健)を探すため」と語っている。さらに、父親の目に触れやすくするため、MFGへ参戦するにあたって、幼い頃から慣れ親しんだ「リヴィントン」姓ではなく、父親の「片桐」姓を使ってエントリーした。
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