プロパイロット搭載の日産セレナも8月に発売され、いよいよ日本でも自動運転への期待が一気に高まっている。
自動運転なら「渋滞中のドライブも読書したり、TVを見ながら全自動で目的地に向かえる!」なんてイメージを持っている人も多いかもしれないが、現時点の“自動運転”では、残念ながらそれらはまだNG。
“自動運転”と一口に言っても、さまざまな段階があり、最も進んでいるものでもレベル2=準自動走行レベルだからだ。それでも“あり”と“なし”では大違い。
乗れば今までの運転の概念を変える可能性を大いに感じさせるこの機能。日・欧・米の注目車で、どれが最も使えるのかを診断する!!
文:永田恵一
ベストカー2016年9月26日号
三者三様の自動運転、光るのはベンツの哲学
日本で買うことができる実質的な自動運転可能なのがこの3台。
最近発表になったベンツEクラス、国産勢では初採用となる日産セレナ、そして自動運転のパイオニア的存在のテスラモデルSだ。各車それぞれに似た印象もあるが、下記のスペックどおり似て非なるものである。各車の機能をじっくり見つつ、ナンバーワンを選んでいこう。
多くのセンサーなどを使い技術的に進んでいるように見えるのはテスラモデルSのように感じるが、アメリカで自動運転中に死亡事故が起きた点も含め、自動運転やクルマは扱いを誤れば危険な道具になるということに対する認識の甘さも見受けられる。
160km/hでも手放しOKというのは技術的にはすごいが、スペックを追い求めすぎているフシも感じるので2番手。
それを考えるとトップは自動運転に対する慎重さ、機能の豊富さを評価してEクラス。とにかくユーザーの安全を考えた自動運転を主眼に置いていて、アクティブエマージェンシーストップアシストなど、疾患時のドライバー保護などメルセデスらしい作り込みだ。
操作がない場合にはクルマを安全に止める。この哲学は今後の自動運転に欠かせない。
セレナは単眼カメラだけで、安価で安全な自動運転を成立させたことに関しては高く評価したい。渋滞の多い日本で家族が使うミニバンにこの機能を搭載したことはすばらしい。
しかし、逆をいえば単眼カメラしかないため、今後の伸びシロもかぎられている。
センサーなどが追加されるのかは不明だが、現段階での進化の余地には疑問符が付く。よって現段階では3番手だ。
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