ビットコインに未来が見える!?
それではビットコインの有効性を考える前に、まずはビットコインとはなにかという話から始めよう。
ビットコインとは簡単にいうと、1枚のコインというよりも金の塊だと思っていい。金は世界中で価値あるものとして認められていて、世界中で取引されている。しかも埋蔵量にはかぎりがあると誰もが知っている。
5月19日現在の金相場は、1g当たり4874円。同日のビットコインの日本でのレートは、22万9538円(6月12日現在では約33万4000円)。
なので、ビットコインが1枚のコインとすると、そのコインにはこの時点で金約47gと同じ価値があるということになる。
ただし、実際はビットコインは1コインいくらという取引ではなく、市場では0.1BTC(ビットコイン)=○○万円という形で取引されている。
そしてその金の塊の中身は何かというと、”誰にいくつ発行され、誰から誰にいくら支払われたか”の膨大なデータが詰まっている(すべて暗号化されているので安心)。
つまりそれはひとつのデータの塊。しかもそれを動かすプログラムはオープンになっている(中身のデータがオープンというわけではなく動かすプログラムがオープンになっているということ)。
「じゃあ、なんでそんな誰かの支払いデータに価値があるんだ?」という人もいるでしょう。それはいろんな取引情報が詰まった金の塊に対して第三者が、価値があると判断して売買するサービスを提供しているからにほかならない。
だからビットコインは常時価格が変動している。そして特徴的なのは、ビットコインは公開された2009年から毎日ほぼ10分ごとに発行されていて、およそ4年ごとにその発行量が半減し、合計2100万ビットコインを上限とすることが最初から決まっていること。
これはビットコイン自体の価値が陳腐化しないように計算されているからだ。金の埋蔵量がかぎられているのと同じですね~。ここまで読んで、なんでそんなものが必要になるんだ? と思う人がいるかもしれない。
しかし、現実世界では通貨危機に陥った国の貨幣がいきなり紙クズ同様になったり、デフレになって通貨の価値がどんどん下がったりリンゴ1個買うのに万札が10枚必要になるなどが起きてしまうので、ビットコインのほうが安心できるという一面もある。
なによりビットコインは世界中の経済活動を円滑に進めるために作られたもので、誰でも日常生活に「使える」ものを目指しているからね。
ちなみにビットコインを生み出すにはマイニング(取引情報をブロックチェーンに加えていく作業)という作業をすれば、その報酬として生み出されるが、これが実はとんでもない作業。
さまざまな取引情報を暗号化してブロックチェーンに加えていくため、一台のコンピュータでやろうとすると数億年以上かかるともいわれている。なのでそれを世界中の有志のコンピュータに分散させて行っているのが、現在のビットコインのシステムだ。
こういうコンピュータの接続方法をP2Pという。そしてビットコインの取引もP2Pネットワークで行われている。銀行のように、どこかに総本山があって、そこですべてを管理しているわけじゃない。
今後のビットコインの進展はいかに!?
以上説明したように、ややこしすぎるビットコインだが、ひとつのメリットとして挙げられるのが送金コストが基本的に無料に近いということ(具体的には送金する側が送金手数料を設定する)。
銀行で10円を送金するためにわざわざ送金手数料250円を支払う人はいないが、ビットコインならこれは可能(ただしビットコインの場合は、送金できる最低金額は決められている)。
そういった意味では小規模決済では便利なシステムといえるだろう。しかもビットコインは金と同じようなものなので、どこの国の貨幣とも両替できるので、両替さえしてしまえば世界中で使える。
ただ問題がまったくないわけではない。最近では違法なマネーロンダリングに利用したり、交換レートの変動が大きいので、半年前と1週間前では価値が半減していた、なんてことも起きてしまう(メリット&デメリットは下の表を参照)。
また、仮想通貨に対する法律がまだ不整備なため本格ビジネス参入の弊害にもなっている。このようなことを考えると電子決済の主流になるのはもう少し時間がかかるが、本格始動すれば多くの可能性を秘めたものとなりそうだ。
以上がクルマ界の未来を見据えた電子決済とビットコインの話だが、ネットの進化は凄まじい。
もしかしたら、ン年後には「新型プリウス、18ビットコイン」なんて表示がディーラーの店頭でされるかも!? 楽しみですね~。
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