■新型は航続距離120km増、13.5万円安!!
また新型リーフは価格を割安に抑えた。
リチウムイオン電池の容量を40kWhに拡大するなど機能を充実させながら、売れ筋のXは先代型の30X(30kWh)に比べて13万5000円安い。
経済産業省によるCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金は、新型リーフでは40万円とされる。今の算出方法は、1回の充電で走れる航続可能距離(JC08モード走行)がベースで1km当たり1000円だ。
新型リーフは1回の充電で数値上は400kmを走れるから「1000円×400km=40万円」になる。
先代型は24kWh仕様が22万8000円、30kWh仕様が28万円だったから、新型リーフは航続可能距離が先代型の30kWh仕様に比べて120km伸びて価格は13万5000円下がり、補助金額は12万円増えた。
合計すれば航続可能距離の向上を含めなくても25万円は実質的に値下げされている。また2代目だから、先代リーフから乗り換える需要も期待できる。
だからといって飛ぶように売れるワケではないが、需要が落ち着いても1か月に1600〜1800台は売れるだろう。今の1.6〜1.8倍で、オデッセイ/エスティマ/プレミオなどと同等の台数になる。
また、発売直後は好調に売れて、おそらくこれがニュースになるだろう。
■新型リーフのここがイイ
先代型の発売から7年を経てフルモデルチェンジされたので、当然ながら進化の度合いが大きい。最も注目されるのは先に述べたリチウムイオン電池の容量を40kWhに拡大したことで、JC08モード走行では400kmを走れる。
開発者によれば「急速充電器を頻繁に使った場合のリチウムイオン電池の劣化(十分に充電できなくなること)も少ない」という。
モーターの最高出力は150馬力、最大トルクは32.6kgmだから、先代型に比べると41馬力/6.7kgm向上した。数値的にいえば先代型は自然吸気のガソリンエンジンに当てはめると2.5Lクラス、新型は3Lに匹敵する。
エンジン車の燃費に相当する1km当たりの交流電力量消費率は、先代型が114〜117Wh/km、新型は120Wh/kmで少し悪化したが、動力性能を向上させながら、さほど大きな変化はない。
このほかセレナやエクストレイルに先行採用された運転支援技術のプロパイロット、車庫入れを支援する進化型のプロパイロットパーキングも用意される。
■新型リーフのここがイマイチ
新型リーフを購入する時に注意したいのは視界と取りまわし性だ。
先代型もサイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げたが、新型ではその度合いがさらに強まった。リヤ側のドア部分は、ウインドーの下端が先代型に比べて30mm弱は持ち上がった。
さらにリヤピラーも太くなり、斜め後方の視界が悪化している。開発者は「先代型の外観は欧州と北米で不評だった。
そこで新型はスリークな(スマートで馴染みやすい)デザインにした」という。そこが災いして後方視界を従来型以上に悪化させた。購入する時には販売店の試乗車で縦列駐車や車庫入れを試したい。
居住性は先代型と同程度だが、後席は少し窮屈。膝先の空間は相応に確保したが、床と座面の間隔が不足して膝が持ち上がりやすい。4名で乗車するユーザーは後席の居住性を確認したい。
セットオプションの設定方法もイマイチだ。緊急自動ブレーキを作動させるインテリジェントエマージェンシーブレーキは全車に標準装着したが、プロパイロットとプロパイロットパーキングは、最廉価のSでは装着できない。
売れ筋になるXでも二者択一を迫られ、プロパイロットとプロパイロットパーキングを両方ともに付けられるのは、両装備を標準装着した最上級のGのみになる。
さらに良くないのは緊急自動ブレーキがセレナやエクストレイルから進化していないこと。車両に対してのエマージェンシーブレーキは時速80kmが上限となる。
歩行者対応の時速60km以下は良いとしても、車両については少なくとも法定速度の時速100kmには対応して欲しい。注目度抜群の新型リーフだが、改善の余地は少なからず残されている。
コメント
コメントの使い方