「スープラ復活」というフレーズが、自動車専門誌および情報サイトを何度も駆け巡っている。今秋の東京モーターショーには出品されないことで、「やっぱりスープラ復活なんて夢物語なんじゃないか」とお考えの読者諸兄も多いのではないか。
しかし当編集部には信頼できる筋から「スープラは復活します」という情報が継続的に入ってきている。
登場はズバリ、2018年1月13〜28日に開催される北米国際オートショー(デトロイトショー)。
現在、当編集部が掴んでいる情報を整理してお届けします。
文:ベストカー編集部 写真:ベストカー編集部、TOYOTA、BMW
ベストカー2017年10月10日号
■BMWとトヨタの共同開発で、ベースは新型Z4
2017年8月にアメリカで世界初公開された新型BMW Z4コンセプト(市販時に「Z5」となる可能性もある)は周知のとおり、次期トヨタスープラの兄弟車だ。
しかし、Z4はオープン、スープラはクローズドクーペであり(ともに2シーター)、しかもデザインに関してはトヨタとBMWが別に手掛けることとなっているため、似て非なるものになる。
エンジン、シャシーは同じなのでプロポーションは近いものの、ベストカーが入手している情報では、スープラとZ4は前後のデザインがまったく違ったものとなる。
BMW伝統のキドニーグリルを採用するZ4と、2014年にデトロイトショーで公開されたコンセプトカー、「FT-1」に見られるフォーミュラカーのようなノーズになるスープラでは別物。
スープラのボディサイズは意外と小さく、全長4380×全幅1860×全高1295mm、ホイールベース2480mm。86よりもホイールベースが90mm短いにもかかわらず、全長は140mmも長い。
つまり、前後のオーバーハングが長いのがサイドビューの特徴なのだ。車格を大きく見せるためなのか、そのあたりが実車ではどう見えるのか興味深い。車重はZ4同様カーボンを使い、1350~1450kgと軽量。
■エンジンは3Lターボと2種類の2Lターボ
リアスタイルはZ4もスープラもかなり凝った形状となる。両車ともにラジエターの位置、マフラー配置などインナーボディを共用するため前後の意匠に共通性があるが、スープラのデザインは特徴的で、ハの字に広がるフロント先端下部の形状をリア下部でも踏襲する。
プロポーションは同様でもこのあたりの意匠を変えることで、まったくイメージの異なる2台となっているのは両社の狙いどおりということだろうか。
スープラのエンジンは既報どおりBMW製。トップグレードに直6、3Lターボ、340ps/45.9kgmを搭載し、その下に2種類の直4、2Lターボエンジンを設定する。
この2Lは255ps仕様と200ps仕様になるというのが信頼できる筋からの情報で、トランスミッションは全車ZF製の8速ATを採用。現時点の情報では3ペダルMTは用意されないということだ。
■「ゆったり走るGTカー」ではなく……
Z4は富裕層のセカンドカーを狙うラグジュアリーオープンスポーツというコンセプトで、決してカリカリのスポーツモデルではないという情報が入って居る。
普通に考えれば、そのZ4の兄弟車であるスープラもその方向(ラグジュアリー)ということになるが、しかし「そのマーケット」はすでにレクサスRCやLCが担っており、スープラはもっと本格的なFRスポーツにチューニングされる線も捨てきれない。
「スープラの最終モデルが生産中止となってから15年(2002年に生産終了)、今さら復活させて意味があるのか? もし仮に3Lのスポーツカーが登場したとしてもスープラという車名は付かないんじゃないか?」という疑問を持つ読者諸兄もいるだろうが、
「スープラ(SUPRA)」という車名は北米では依然ブランド力を保ち、日本よりもむしろアメリカでの人気が根強い車名。
復活させるための勝算はあるわけだ。
価格は2Lターボが500万~600万円、3Lターボが700万~800万円と予想。来年1月のデトロイトショーでコンセプトモデルを披露し、来年秋頃に正式デビューというスケジュールになりそうだ。名車の復活を楽しみに待ちたい。
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