2017年9月29日(金)、ホンダは今秋開催される東京モーターショー(10月25日〜11月5日)の出展概要を公表しました。
ワールドプレミア(世界初披露)3台、ジャパンプレミア(日本初披露)5台と盛りだくさんの内容で、ブースの雛壇に飾られる最注目車は「Honda Sports EV Concept」。本記事で速報として紹介します。
文:ベストカーWeb編集部 写真:HONDA
■ホンダは地域ごとに異なる「EV」を用意
東京ビッグサイトで開催される東京モーターショー。ここ数日各メーカーから出展概要が発表されているが、ホンダから公表された出展概要には、注目度の高いコンセプトカーが含まれていることがわかった。
その名も「Honda Sports EV Concept」。

ホンダによると、
【以下公式リリースより引用】
コンパクトなボディーに、EV性能と人工知能(AI)を組み合わせ、人とクルマがひとつになったような運転感覚を体験できるモデルを目指して開発。Honda Urban EV Concept(ホンダ・アーバン・イーブイ・コンセプト)とプラットフォームを共有しながら、一目で心に残り、多彩なライフスタイルに自然と溶け込む親しみやすいデザインとし、所有する喜びと愛着が感じられる、次世代のスポーツカーを目指しました。
【引用ここまで】
とのこと。
説明文にある「Honda Urban EV Concept」とは9月にドイツで開催されたフランクフルトショーで出展された、ホンダの次世代EV欧州戦略車。(本企画担当は「初代シティにそっくり!」と思って記事を書いたらいろんな方面から怒られた)
「VW初代ゴルフ」や「初代シビック」がデザインモチーフとなった、小型EV。
さまざまな挑戦的新技術が盛り込まれているが、重要なのはホンダが新型EVプラットフォームを意欲的に開発しており、地域に合ったベースデザインを選択しているということ。
(欧州は2BOX、日本はコンパクトスポーツ、そしておそらく2018年1月に開催されるデトロイトショーで北米市場に見合ったコンセプトEV車が出展されるはず)

■2011年にコンセプトカー出品、2015年に市販化へ
さてでは今回「出展すること」が発表された「Honda Sports EV Concept」は、どのような車で、また将来的な市販可能性はあるのだろうか?
ヒントとなるのは2011年に開催された第42回東京モーターショーに出展された「EV-STER」だ。

このコンセプトモデルは事前の出展概要には記載されず、開催直前(プレスデーの3日前)に突如出品が公表されたサプライズモデル。
当時のホンダによると「後輪駆動方式の電動2シーターオープンスポーツカーで、躍動感のある先進デザインに加え、高い環境性能を備えながら、電動モビリティーならではの新しいスポーツモデルの楽しみ方を提案します」と説明しているが、
デザインを見ればすぐわかるように、この「EV-STER」は2015年3月に市販されたS660のデザインモチーフとなっている(なおその後ホンダは2013年の第43回東京モーターショーでさらに市販モデルに近い「Honda S660 CONCEPT」を出品)。
ホンダは「EVのコンセプトカー」を、将来的にガソリン市販車へ仕立てて発売した歴史があるわけだ。
ホンダ社内には、根強く「S2000復活待望論」がある。1999年に発売され、2009年に生産中止となった名車中の名車で、今も多くのファンが後継車の発売を待ち望んでいる。
また本誌ベストカーの調査によると、S660のボアアップ版「S1000」の開発計画があるという(残念ながら現時点で開発計画が進んでいるかどうかは不明)。
今回出品される「Honda Sports EV Concept」が、2019年の東京モーターショーでさらに市販モデルに近付いたかたちで登場し、翌年市販。そんなシナリオを期待したくなる出品車だ。
このコンセプトカーの続報が入り次第、お伝えしてゆきたい。
