■乗り心地&乗降性はどうか?
乗り心地はN-BOXが新型になって粗さを抑えている。カスタムターボの15インチタイヤ装着車は14インチよりも少し硬いが、適度な引き締まり感を伴って不満はない。硬めのスペーシアに比べるとかなり快適だ。
車内の広さは従来型に近いが、前後席に座る乗員同士の間隔を25mm広げて1175mmとした。
タントの1120mm、スペーシアの1025mm、デイズルークスの981mmと比べて、N-BOXが最も広い。後席を前方にスライドさせても足元に余裕があり、広げた荷室には子供用の自転車などを楽々と積める。
またN-BOXは燃料タンクを前席の下に搭載するから荷室の床が低い。荷室の地上高は先代型よりも75mm低い470mmだ。
これはスペーシアを65mm、タントやデイズルークスを130mm下回り、大人用の自転車を積む時も前輪を大きく持ち上げずにすむ。
■室内のシートアレンジもチェック
シートアレンジでは、N-BOXのスーパースライドシートが注目される。助手席に570mmのロングスライド機能を備え、後方に寄せると足元が大幅に広がって後席の乗員とも話がしやすい。
前方に寄せると、運転席と後席の間をスムーズに移動できる。
新型N-BOXは「ホンダセンシング」も備わり、緊急自動ブレーキの機能を充実させて、車間距離を自動制御するクルーズコントロールも採用した。機能を幅広く進化させ、背の高い軽自動車では1位の実力を備えている。
■ライバルたち短評
【ダイハツ タント】
左側のスライドドアに中央のピラー(柱)を埋め込み、前後ともに開くと開口幅が1490mmに広がる。体を捩らずに乗り降りできて、高齢者にも優しい。
車内の広さはN-BOXに少し負けるが、助手席を前側に倒すと背面がテーブルになり、子育て世代向けの機能を充実させた。
走行性能、乗り心地、後席の座り心地は不満だが、プラットフォームを刷新する次期型で向上するだろう。
【スズキ スペーシア】
N-BOXに比べると車内は狭く、タントのようなワイドに開くスライドドアもない。ミニバン的な実用性は乏しいが、走りをバランスよく高めた。車両重量はスライドドアを備えた軽自動車では最も軽く、動力性能、安定性、燃費が一番優れている。
標準ボディ車は、JC08モード燃費が32.0㎞/Lに達するなど良好。収納設備も豊富で、日常的な使い勝手のよさが魅力だ。
【日産デイズルークス/三菱eKスペース】
エンジンはもともと狭いスペースに搭載する三菱iのために開発され、行程寸法が内径を上回るロングストローク型にできなかった。実用回転域の駆動力が乏しく燃費もいまいちで、ターボの燃費数値が自然吸気を上回る。安全装備も遅れている印象だ。
そのかわり後席の座面はサイズが大きく、座り心地は柔軟。天井に後席用の空調吹き出し口も備わり、セダン的な価値を備えている。
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