シトロエン「ベルランゴ」はミニバン界の黒船となるか!?

シトロエン「ベルランゴ」はミニバン界の黒船となるか!?

 2019年の限定車が大人気となったシトロエンのMPV「べルランゴ」がカタログモデルとしてデビュー。いよいよ本格的に日本のミニバン市場に乗り込んでくる。

 独自の洒落た世界観、商用車をベースとした高い実用性、遊び心溢れたユーテリティなど、日本のミニバンにはない魅力と強みを備える。フランスからの刺客ベルランゴとは一体に何者なのか!?

文/大音安弘
写真/Citroen

【画像ギャラリー】個性あふれるデザインに実用性を兼ね備えたMPV「ベルランゴ」を詳しくチェック!!


■あのルノー「カングー」のライバル!

 グループPSAは2020年8月26日、シトロエンのMPV「ベルランゴ」を正式導入し、10月1日(木)より発売することを発表した。価格は、312万円~343万円で、現在、カタログモデルの先行予約も開始されている。

グループPSAの新世代プラットフォーム「EMP2」を採用。2段がまえのポジショニングライトとヘッドライト、フォグランプをラウンドしたノーズ部分に配した、現在のシトロエン共通のデザインを採用
本国では3列7人乗りもあるが、今回導入されたのは2列5人乗り仕様。巨大なリアゲートはガラス部分のみを個別で開閉することが可能だ

「ベルランゴ」は商用車から派生したMPVで、現行型で3世代目となる。日本には、この3世代目が初導入だが、2019年、先行導入の限定車「デビューエディション」を発売。初回が好評だったことから、急遽、2度目の限定枠を設け、こちらも完売する人気となっていた。

 商用車ベースのフレンチMPVといえば、ルノー「カングー」があり、こちらも日本車にない魅力で多くのファンを獲得。日本独自のオーナー&ファンイベントが開催されるほどの盛り上がりとなっているだけに、同じく個性派MPVの「ベルランゴ」への関心の高さにも納得できる。

ベルランゴのコクピット。機能的かつモダンなデザインとなっている

■超個性的なスタイルとアイデア満載のキャビン

 ボリューム感たっぷりだが、愛嬌もある個性的なスタイルのボディは、全長4405×全幅1850×全高1850mmで、意外にもトヨタ「ノア/ヴォクシー」よりも短い。これは5人乗車+ラゲッジスペースというパッケージのため。そのため、多人数乗車は叶わないが、高い機動性としっかりと5人が乗れるキャビン、さらに多くの荷物を飲み込む積載性という欲張りを実現する。

リラックス感あるリビングのようなインテリア。5人乗車でも狭さを感じることなく車内での時間を過ごすことができる
スライドドアにベルランゴ独自の3座独立リアシートを採用することで、ファミリーユースでも使いやすくなっている。3座すべてにISOFIXフックが装備されているので、チャイルドシートも確実に固定できる

 レジャーで重要となる積載性に置いてはピカイチの性能を誇っており、トノカバーを装着した標準時で597Lを確保。ダイブダウン式の後席を格納すれば、ラゲッジスペース床面がフルフラットとなり、最大2126Lまで拡大する。さらに長尺物も得意とし、助手席と助手席側後席をたためば、約2.7mのものまで収めることができるのだ。

 そのうえ、ユニークな手法で、多くの収納スペースを確保しているのもベルランゴの特色だ。大型ガラスルーフ「マルチパノラミックルーフ」部の中央に設けられたスケルトン仕様の頭上棚や後席側とリヤゲート側の両方からアクセス可能なラゲッジスペースの頭上の約60Lの収納ボックスなど、個性的だが、アイデア次第で使い方の広がる収納を備える。またテールゲートには、ガラスハッチがあり、狭い場所でも荷物の取り出しに困らない仕組みだ。

ルーフの大半をガラスとするパノラミックルーフ。フロントルーフ部分に収納トレイを設け、さらに中央部にはバッグインルーフとして最大14Lまでのバッグを収納可能になっている
リアシート頭上後方には容量約60Lのリアシーリングボックスを配置。後席およびリア
ゲート側の両方からアクセス可能となっている

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