■パワートレインはクリーンディーゼルのみ
パワートレインは、1.5L直列4気筒クリーンディーゼルターボに8速ATを組み合わせのみ。最高出力こそ130psだが、最大トルクは1750rpmという低回転で300Nm(30.6kgm)を発揮するので、アウトドアでも活躍するベルランゴには最適といえる。もちろん、燃費消費率も18.0km/L(WLTCモード)と優秀。お財布にも優しいのだ。
■先進装備も基本をしっかり押さえる!
近年、フランス車が遅れているイメージが強かった先進機能も強化された。インフォテイメントシステムは、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応。後退時は、バックカメラの映像も映すことができる。
安全面では、衝突被害軽減ブレーキをはじめ、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、レーンキープアシスト、ブラインドスポットモニター、インテリジェントハイビーム、前後ソナーセンサーなど、街中から高速移動までサポート可能な先進の運転支援機能を全車に標準化。この内容ならば、国産ミニバンユーザーも不満はないだろう。
■3タイプを用意するが外板色は少なめ
グレード構成は、ベースグレードとなる「フィール」と「デビューエディション」に近い充実装備を誇るメイングレード「シャイン」、特別仕様車「シャインXTRパック」の3タイプを用意。
基本は同様だが、グレードにより装備内容が異なる。ベーシックな「フィール」は、オートエアコン、マルチパノラマミックルーフ、アルミホイール、スマートフォンワイヤレスチャージング、完全独立式後席シートなどが省かれるので、26万円差なら、フィールのほうがお得感が強い。またルーフ部の特徴的な収納も省かれるので、ベルランゴの面白みも薄れてしまう。
特別仕様車は、エクステリアの装飾の差だけなので、好み次第だ。ただ残念なのが、ボディ色が基本3色に限定されること。日本仕様には、明るいカラーを厳選したため。ただスクエアなボディには、シックな色も似あうと思うので、今後の拡大に期待したい。
■国産ミニバンのライバルとなるか!?
直接的なライバルは、より手頃なルノーのMPV「カングー」となるだろうが、多人数乗車をマストとしなければ、国産ミニバンにとっても気になる存在となりそうだ。
なぜならば、ベルランゴには国産ミニバンにはないユーザー自身を楽しませるエンタメ性があるから。きっとベルランゴなら、遊びのフィールドに乗りつけるだけで、「できるやつ! かも……」と勝手に思われるに違いない。いや、事実は別にしてもユーザーの心を盛り上げるワクワク感があるのだ。だから、物事は形からと拘る人にも刺さりやすい素材といえる。
しかも、商用車派生のモデルだけに機能的で、フランス車らしい快適な乗り心地も提供してくれる。ベルランゴの弱みは、もはや3列シートと電動スライドドアだけかも……。ただ日本のミニバン界に新たな風を巻き起こす可能性を十分に秘めた一台といえそうだ。
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