続々と各メーカーから東京モーターショーの出展概要が発表されるなか、2017年10月6日、トヨタが自ブースの目玉車種となる「GRハイブリッドスポーツコンセプト」の出展を発表しました。
ルマン24時間レースなど、世界耐久選手権(WEC)で戦うレーシングマシン「TS050 HYBRID」をイメージしたデザインで、
・トヨタスポーツ800やスープラに採用されたエアロトップ仕様
・FRの2人乗り
・パワーユニットの詳細は発表されていないが、もしTS050と共通ならV6直噴2.5Lガソリンエンジン+ツインターボ+ツインモーター
・全長4395×全幅1805×全高1280mm
という概要。ツヤ消しブラックとLEDライトが特徴的な迫力あるデザインのこのコンセプトカー、単なるショーモデルとして作製された打ち上げ花火なのか? それとも社内で市販に向けた開発が続いているのか?
今年8月の時点でこのコンセプトカーの製作情報をキャッチしていた本誌ベストカースクープ班は、「少なくとも現時点では市販に向けた開発」と証言する。
以下、この「GRハイブリッドスポーツコンセプト」が公表されるはるか以前にキャッチした情報を紹介しつつ、一部加筆修正・整理してその正体に迫ります。
文:ベストカー編集部 写真:ベストカー編集部、TOYOTA
ベストカー2017年9月26日号
■トヨタ内部で進むスポーツカーの「大・中・小」プロジェクト
トヨタのスポーツカー戦略がますます本格的に動き始め、その一端をお披露目するのが今年の東京モーターショー、10月25日のプレスデー。
今年4月1日の組織改編でトヨタ自動車社内に誕生した「GAZOO Racingカンパニー」は、モータースポーツ活動を主導するいっぽう、そこから得た知見をフィードバックした市販車両の開発も行う社内カンパニー。
カンパニー名の頭文字を取った「GR」ブランドで展開する既存車両をベースとしたスポーティチューニングモデルのイメージが強いかもしれないが、それと並行してスポーツモデルの開発もGRカンパニーの重要な仕事となる。
86の開発責任者として知られる多田哲哉氏もこのGRカンパニー内の「GR開発部」のチーフエンジニアとして車両開発の統括にあたっている。
トヨタが今年の東京モーターショーの目玉としてサプライズ出展するコンセプトカーは、ズバリ、次期型86ともいえる、ミドルサイズのFRスポーツカーだ。
前回、2015年の東京モーターショーでトヨタは、多田チーフエンジニアがかねてから公言している「スポーツカー大・中・小」の小にあたるS-FRを発表した。
S-FRは前回ショーの後一時期開発凍結が伝えられた時期もあったが、現在は市販化に向けて開発が進行中(その後、残念ながら再び開発が凍結……残念)。
いっぽう「大」はBMW Z4/5とプラットフォームを共用しながら開発され、年明け2018年のデトロイトショーでお披露目される計画の新型スープラだ。
となると……、そう、残された「中」、つまり86の次期型である。
(これが今回公表された「GRハイブリッドスポーツコンセプト」の正体なわけだ)
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