■インテリアはキープコンセプトながらも最先端に
インテリアも明確に進化した。先代と比べて、シンプルで水平基調となったインストルメントパネルや、低く設置されたメーターバイザーにより、これまで通りの低いアイポイントを維持したまま、前方の視界が広くなったように感じる。これならば、よりドライビングに集中することができそうだ。
また、7インチTFTディスプレイを採用し、起動時には、水平対向エンジンのピストンの動きをモチーフにしたオープニングアニメーションが表示される。実に面白い仕掛けだ。デジタルメーターの表示も見やすく、どんな条件でも、直感的に情報把握ができる。
シフトノブも手になじむ大きさで、扱いやすそうだ。ドライバー側へと傾けられた手引き式サイドブレーキとの距離も近く、ドリフトのベースマシンとしても適切だろう。
肩までがっちりと保持してくれるフロントのスポーツシートは、加減速Gや旋回横Gで身体が動きにくいよう、スウェード素材でできており、高いホールド性だ。クルマの挙動を正確に把握できるだろう。
■国産FRスポーツカーは、もうこれで最後なのか!?
今回の取材で分かったのはここまでだ。車両価格やグレード構成など、細かな点は未公表だったが、4月5日の正式発表会以降、徐々に明らかとなっていくだろう。
ちなみに6AT車には、アイサイト・ツーリングアシスト(バージョン3)が付くことが決定している。
国産スポーツカーが少なくなっていくなか、トヨタとスバルの協業のおかげで、スポーツカー好きにとって夢のようなクルマが、再び登場してくれたことは本当にうれしい。一度止まってしまうと、復活させるのは容易ではないからだ。
CO2低減を目指していくことはもちろん必要なことではあるが、一方で、こうしたNAエンジンのスポーツカーが持つ魅力は、変えられるものではなく、今回の新型GR86/BRZの登場は、クルマをつくるメーカーとしてファンの期待に応えた、ということであろう。
しかし、この先もこうしたスポーツカーが登場するかどうかは、わからない。日本での発売時期は、新型BRZが2021年夏ごろ、新型GR86が2021年秋ごろの予定だという(編註:GR86は開発ドライバーでもある豊田章男社長によるチューニングも行わているという)。
この新型GR86および新型BRZが、伝説となり、後世に語り継がれていく様子を、ファンとしてしっかりと見届けていきたいと思う。
■GR86/BRZ国内仕様の諸元(プロトタイプの開発目標値)
■ボディサイズ
全長×全幅×全高(mm) 4265×1775×1310
ホイールベース(mm) 2575
トレッド[前/後](mm) 1520/1550
最低地上高(mm) 130
車両重量(kg) 1270kg ※6MT車
■エンジン
FA24エンジン2.4L 水平対向4気筒(筒内直接+ポート燃料噴射装置)
内径×行程(mm) 94.0×86.0
総排気量(cc) 2387
圧縮比 12.5
最高出力[kW(ps)/rpm] 173(235)/7000
最大トルク [Nm(kgfm)/rpm] 250(25.5)/3700
最高回転数 7400rpm
燃料タンク容量 50L
■その他
トランスミッション 6MT/6AT
駆動方式 FR(後輪駆動)
サスペンション形式(前/後) マクファーソンストラット式/ダブルウィッシュボーン式
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク
ホイール 18インチアルミホイール
タイヤ 215/40R18 (ミシュランパイロットスポーツ4)
コメント
コメントの使い方