最小回転半径3.3m! 小回り抜群の小型車は?
■スマート/ルノー トゥインゴ
2人乗りのシティコミューターとして開発され、ボディサイズは全長2755mm×全幅1655mmと軽自動車仕様があった初代スマートフォーツーよりは大きい。
しかし、超コンパクトなうえに、前にエンジンのないRR(リアエンジン・リア駆動)のため、ハンドルの切れ角が非常に大きく取れ、先端・後端の見切りも良好。スマートフォーツーが小回り、取り回しの王者なのは文句のないところだ。
これだけの要素が揃えば最小回転半径など気にする必要もないが、その値は3.3mとかつてトヨタが同様のコンセプトで作ったiQの3.9mよりも大幅に小さい。
スマートフォーツーの4人乗り仕様「フォーフォー」や兄弟車のルノー トゥインゴも全長が3550mm、3620mmに伸びるだけで、最小回転半径は4.1m、4.3mと4人乗れる車の取り回しではブッチぎり。
小回りの利くコンパクトカーの次点としては、4.5mという最小回転半径の小ささに加え、先端の見切りが良好なのに加え最上級グレードにはタイヤの向いている方向の表示がある日産 マーチを挙げたい。
反対に取り回しが悪いのがトヨタの16インチホイールを履くコンパクトカーだ。ヴィッツは標準4.7mに対し16インチ5.6m、シエンタも標準5.2mに対し16インチ5.8mと太いタイヤを履くスポーツモデル並みになってしまう。それだけに選ぶ際には若干の覚悟が必要だ。
ハイエースは大柄でも驚異の小回り性能
■トヨタ ハイエースワゴン(ロングボディ)
ハイエースワゴンのロングボディは、グランドキャビンと呼ばれる長い方ではない10人乗りミニバン仕様。
ロングボディが標準になるのだが、ボディサイズはそれでも全長4840mm×全幅1880mm×全高2105mm。この全幅は見ただけで気が重くなる人が多いだろう。
ところが、ハイエースは1ボックスゆえ、ノーズをほとんど気にする必要がなく、全幅が広い分タイヤの切れ角も大きいため、最小回転半径は4ナンバーサイズのハイエース5.0mに対し、ロングボディでも5.2mと差は小さい(2WD車の場合)。
そのため、総合すればサイズがさほど変わらないアルファード(全長4950mm×全幅1850mm×全高1950mm)より運転しやすいくらいだ。
全幅とタイヤの切れ角の関係は、2003年登場の4代目レガシィで全幅が3ナンバー幅の1730mmに拡大されたが、エンジンやタイヤサイズは3代目レガシィと同じだったため、タイヤの切れ角が大きくなり、総合的には4代目レガシィの方が取り回ししやすくなった例と似た話だ。
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このように車の取り回しやすさは、ボディサイズに加えて、冒頭に書いたボディサイズ以外の要因にも大きく左右される。
それだけに車を選ぶ際は、試乗時に自分がよく通る狭いところを走ってみる、駐車場が狭いなら駐車場に入れてみるといったことを可能な限り試したい。
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