■路面とのコンタクトはまさに「スポーツ」
今回試乗したのはターンパイク箱根。高速コーナーとアップダウンが続く、関東屈指のワインディングであり、ドライブを味わうにはもってこいの舞台だ。すでに、テストコースでの試乗では、限界性能の高さの片鱗は感じていたが、荒れた路面もある一般公道での試乗は初。
コーナー前後でのボディモーションや、ギャップのいなし方など、多くを知ることができる。先代のノートe-POWER NISMOとNISMO Sも試乗しており(NISMO Sは冷や汗もののパンチだった)、その進化度合いも注目していく。
オーラNISMOは、軽めに流して乗るぶんには、「どっしりとした安定感」を、感じられる。路面が極端にきれいな日産のテストコースでも、ターンパイクでもそれは同じだ。
ステアリングは実に正確で、ちょっとの操作でクルマの向きは綺麗に曲がる。やや固められたサスペンションセッティングのおかげで、姿勢変化はかなり少なく、旋回切り増しや切り替えしのシーンでも、安定したコーナリングをする。
ただ、許せる範囲内ではあるが、路面凹凸からの突き上げはやや大きく、ガツンとした入力が稀に入り、シートとステアリングホイールから伝わる。「ロードインフォメーションがよく伝わる」ともいえるが、それなりに覚悟は必要だ。
続いて「NISMOモード」へ切り替えてぺースアップ。アクセルペダルの操作が過敏になり、前方へ引っ張られる感覚が強まる。体感上、6割ほど踏み込めれば、充分速い。発電用にエンジンも回転するが、電子的な加速サウンドが大きく聞こえ、浮遊感のような不思議な感覚だ。
併せて、ステアリングホイールの操作も忙しくなり、ギャップの跳ね上げも強くあるので、ペースを速められるのは極わずかな時間だけだ。遅れがなく強い加速は、じわっと手汗が出るほどだ。
(加速の)パンチが効いていて実に面白い反面、路面の突起やタイヤが跳ね、落ち葉を拾って、突如、グリップを失う不安感も生じるので、アクセルを戻すことになる。
日産のテストコースで試乗している限りは、強めのレーンチェンジを行っても、シャーシが破綻するようなことはいっさいなかったが、一般道では、流石に本領発揮とはいかない。
タイヤが接地していない瞬間は、アンコントローラブルなので、ペースを落とさざるを得なかった。だが、こうした路面とのコンタクトは、まさに「スポーツ」だった。
マニュアルトランスミッションを駆使して、エンジンをブン回して走る楽しみわ分かるが、ハイブリッドであっても、これまでと同じよう存分に楽しめる。
むしろ、ステアリングの操作に集中できるので、コーナーのアプローチや、滑らかな立ち上がりをコントロールする楽しみもある。走らせ方次第で、めちゃくちゃ楽しいのだ。
ひとつ要望をするならば、減速度をコントロールするパドルシフトが欲しかったところだ。今回、同時にホンダヴェゼルにも試乗したのだが、ヴェゼルの4段階で減速度を制御できるパドルシフトは、下りのスピードコントロールが絶妙にうまかった。
■オーラNISMOは確実に走りのハイブリッドだ!!
これが、税込286万9900円から買えるのだからありがたい。また、NISMOだからといって、先進運転支援装備をカットすることはなく、ノートオーラと同じものが選べるようになっているのもいい。
プロパイロットを搭載し、専用レカロ製スポーツシートを前席2脚つけると、総額は約390万円にもなる高額車となるが、このデザインと走りが得られて、なおかつ最先端の運転支援も備えるコンパクトスポーツならば、しょうがない、と思ってしまう。
ちなみにサーキットへ通うような意識の高い方でなければ、このRECARO製のセミバケはやりすぎだ。ワインディングで楽しむぶんには、ファブリックで良いからサイドサポートの良いシートのほうがマッチしている。
ハイブリッドモデルのイメージを一新してくれた、ノートオーラNISMO。NISMOプロデュースのコンパクトスポーツは、いつの日か日産を救う存在となってくれるだろう。
【画像ギャラリー】本文未収録写真あり!! 乗って楽しいハイブリッド!! ノートオーラNISMOは面白いぞ!!(14枚)画像ギャラリー
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