「ハイブリッド」ときいて、「走り」を期待する人がどれくらいいるだろうか。ハイブリッドモデルはこれまで、低燃費で環境性能が高く、静粛性が高いという利点がある反面、走りについては、「悪くはないけれど……」というモデルが多かった。
もちろん、NSXなどの「スポーツハイブリッド」はあったが、どれも庶民が買えるものではなく、「現実的な価格で、走りが自慢のハイブリッドモデル」はこれまでほぼ存在していなかった。
そこへ登場してきたのが、「ノートオーラNISMO」だ。フォーミュラEからインスパイアされ、「駿足の電動シティレーサー」をコンセプトに、NISMOの魂とこだわりが注ぎ込まれたノートオーラNISMO。走りのハイブリッドとして、かなり期待できる要素を持っている。
ノートオーラNISMOには、テストコース内で試乗しているが、テストコース内だけでは、その実力は測れない。今回、ノートオーラNISMOの実力をもう少し知るべく、箱根のワインディングで徹底的に試乗。見えてきた、その実力をご紹介したい。
文/吉川賢一、写真/平野学、NISSAN
■「走る楽しさ」を狙ったコンプリートカー
ノートオーラNISMOは、純粋に「走る楽しさ」を狙ったコンプリートカーだ。ノートオーラをベースとして、NISMOのレーシングマシンを思わせる、ド派手なエアロパーツの数々で武装し、フロントオーバーハングとリアオーバーハングを延長、サスペンションをローダウンさせ、リアスポイラー形状を最適化。
これらによって、車両全体で、ダウンフォースを増大させている。タイヤは、超ハイグリップなミシュラン製パイロットスポーツ4(サイズは205/50R17)を装着。
パワートレインは、ベースとなるノートオーラと同じ、モーター最高出力136ps/3183-8500rpm、最大トルク300Nm/0-3183rpmのe-POWERシステム。
異なるのは、NISMO専用チューニングによって、エンジン回転が頭打ちして加速感が鈍らないよう、制御が改良されている点だ。ノートオーラのSPORTモードがNISMOのECOモード相当になるよう調節したうえで、NISMOモードを新設。力強く伸びのある加速感を味わえるようにした。
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