■注目の価格は2500万円!
注目の価格は2500万円(標準仕様)で、9月6日から注文受付を開始した。月販基準台数は30台。2023年中の発売が予定されている。価格についてだが、V8の5Lハイブリッドを搭載するセダンモデルのセンチュリーが2008万円であることを考えると、SUVタイプにしているのにもかかわらず割安にも感じられるが、これにはプラットフォームの違いがある。
セダンのセンチュリー用のプラットフォームは先代レクサスLSロングボディ仕様をセンチュリーにカスタマイズしたものを使用しているが、新しいセンチュリーにはクラウンクロスオーバーやハリアーと同じくTNGA-Kプラットフォームを採用している。この違いが価格面にも出たと思われる。
■パワートレーンはV6、3.5Lプラグインハイブリッドと前後モーター!
注目のパワートレーンにはV6、3.5Lプラグインハイブリッド(最高出力262ps/最大トルク34.2kgm、最高出力182ps/最大トルク27.5kgmのフロントモーター+最高出力109ps/最大トルク17.2kgmのリアモーター)を採用。
センチュリーにふさわしい静粛性と力強く爽快な走りを両立したユニットで、日常的にはBEV、長距離移動時などにはHEVとしての役割を果たすショーファーカーにふさわしいパワートレーンだという。
ちなみに発表会場にはGRMN仕様も展示されていたが、トヨタ関係者によれば「新しいセンチュリーはベース車両が2500万円。そこから(グレードや仕様違いがあるわけではなく)一人ひとりのお客様に合わせた個別オーダーシステムを採用する。スライドドアやグリル、ブレーキキャリパーなどもその個別オーダーパーツのひとつ。今回展示したGRMNは、モリゾウのオーダーにのっとった、ひとつの提案。だから、たまたま同じパーツを選べばこの仕様に揃えることもできる」とのことだ。
4輪操舵システムには「ダイナミックリアステアリング」を設定し、低速域での取り回しのよさ、中高速域でのシームレスで自然なハンドリングを実現している。
インテリアは「人中心」の思想で設計されている。最大75度まで開くリアドアと掃き出しフロアによって優れた乗降性を実現。
ちなみに、2023年6月に行われた新型アルファード/ヴェルファイアの発表会でのサプライズを覚えておいでだろうか? そう、トヨタが「センチュリーを大胆に変える」と宣言した宣言だ。
プレゼンテーションしていたトヨタ取締役のサイモン・ハンフリーズ氏が、アルファード/ヴェルファイアがトヨタの高級車を変えていくという話のなかで、突如「センチュリーも大胆に変えようと、すでに動いている」と宣言していたのだが、それを覚えている方も多いことだろう。
■本命モデルは遅れて登場のBEV?
ところで、新しいセンチュリーの本命とも言えるBEV(電気自動車)がこの先に控えているという情報もある。
トヨタは2026年に向けて新しいBEV戦略を展開する。専門組織の「BEVファクトリー」をスタートさせ、国、地域をあげてBEV化を推進する米欧中と真っ向勝負する体制を整えた。そこで計画されている新戦略は多岐にわたっているが、ひとつの軸となるのが「マルチパスウェイプラットフォーム」だ。
クラウンやハリアー、RAV4などに使われている主力のTNGA-KプラットフォームをBEVにも展開するもので、2026年までに150万台、2030年に350万台(ともに年間)というBEVの販売目標を達成するための重要アイテム。新しいセンチュリーでは、このプラットフォームを使うBEVを追加する。
要人送迎用の、いわゆる「黒塗り車」としての機能がメインとなるクルマだけに、脱炭素のイメージに直結するBEVは必須でそこもしっかりと押さえられているというわけだ。コストを抑えながら航続距離を2倍に延ばす新開発の駆動用バッテリーの開発も進んでおり、現状のBEVとはレベルの違うクルマとして登場する。
トヨタは生き残りをかけて大胆に変わろうとしている。そのひとつの形が高級車の変革で、そのまたひとつの形が今回発表された新しいセンチュリー。BEVは2026年にも登場するとみられ、日本の高級車の新たな時代が幕を開ける。
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