一部のクルマ好きならご存じだろうが、三菱は欧州市場で「ASX」というコンパクトSUVを売っている。こいつがマイナーチェンジを受け、フロントマスクが実にカッコよくなったのだ。果たして日本には入るのだろうか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/三菱自動車
■ASXはルノー・キャプチャーベースの欧州版RVR
まずASXの立ち位置を整理しておこう。
三菱はこれまで、コンパクトSUVとしてRVRを販売してきた。RVRは日本以外でもアメリカや欧州でも販売されてきたのだが、三菱が日産・ルノーと手を組んだ時点で、欧州で売るRVRが別の道を歩み始めた。
日本では2010年に発売されたRVRが一応今でも市販されているが、欧州ではルノーのコンパクトSUV「キャプチャー」をベースとした新型RVRが作られた。ただしベース車両が刷新されたため車名を変更しようということになり、新たな名が付けられた。これが「ASX」だ。
ASXの欧州発売は2023年3月のことで(発表は2022年9月)、発売からまだ1年しか経っていない。しかしベースとなるルノー・キャプチャーが2019年生まれなので、今年4月にマイナーチェンジを実施した。そのタイミングに合わせて、三菱ASXについてもお色直しが施されたというわけだ。
ちなみに日本のRVRは水島製作所製だが、ASXはスペイン中北部の町バリャドリードのルノー工場で生産される。
そんなASXだが、正直これまでのモデルは、ルノー車に共通する「Cシグネチャー」と呼ばれるフロントマスクをちょっと手直ししただけの、OEM然としたクルマだった。
■韓国で生産の可能性が……!?
ところが今回のマイナーチェンジでフロントバンパーを含む表情全体を刷新、三菱のダイナミックシールドを強く印象付ける顔付きとなった点がうれしい。アルミホイールも新デザインの18インチとなった。
キャプチャーのアップデートに合わせて、インフォテインメント系も新しくなった。ダッシュボードには10.4インチのスマホ連携ディスプレイオーディオを新採用するとともに、三菱車としては初めてグーグルを搭載し、高度なコネクテッドサービスを実現している。
運転支援機能も充実した。駐車可能位置を自動で検知し、車庫入れや前向き駐車、縦列駐車をサポートするパークアシスト、さらには車両周囲の障害物などを確認できるアラウンドビューモニターも装備する。
パワートレインがルノー製となる点はやむを得ないが、同社お得意の1.6Lターボ+モーターのEテックハイブリッドは見事な技術。ASXの魅力も高めてくれるだろう。
さて、このASX、RVRの次期モデルとして日本に入ってくるのだろうか。実はそれを期待させるニュースがある。ルノー・アルカナを作っている韓国のルノー・サムスン工場に、新たに中型SUVのハイブリッドモデルを作る生産ラインができるのだ。
ここで仮にキャプチャーのハイブリッドが生産されるとしたら、合わせてASXを作り、日本に入れるという可能性は残る。真偽のほどはまだ不明だが、期待が持てる動きとはいえそうだ。
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