キックスが国内導入されればヒットとなるか?
ボディサイズがあっていれば良いわけではない。重要なのがパワートレインだ。
現行ジュークのパワートレインは、排気量1.5リットルガソリンエンジン+エクストロニックCVT、そして1.6リットルターボエンジン+エクストロニックCVTの組み合わせだ。
キックスは排気量1.5リットルと1.6リットルのガソリンエンジン+エクストロニックCVTもしくはMTとなっている。
ちなみに欧州でのみ販売される新型ジュークのパワートレインは、1.0リッターガソリン直噴ターボ+DCTの組み合わせだ。
国内市場で戦っていくには、最低限e-POWER搭載が求められるであろう。ただしそうなると、今度は現行型ジューク(1.6ガソリンエンジン)よりも10万~20万円近く価格が上がるのは必至だ。
その販価で、他の国内メーカーSUVと勝負できる魅力が、キックスにあるだろうか。筆者は厳しいと考える。
現行キックスは、エクステリアデザインが比較的おとなしく、エンジンも古臭く、ADAS(先進運転支援システム)の装備もイマイチ。大幅なブラッシュアップによる商品力向上をしなければ、ヒットは難しいであろう。
まとめ
キックス国内導入に対し、期待している日本のユーザーは多いのだが、個人的には憤りを感じている。
新型ジュークを欧州向けに大きく作って、国内にはありものを投入するということであり、経営層が日本市場を軽視しているのは明らかだ。
日産の世界販売台数において日本市場の販売台数が占める割合は約10%。こう見ると、小さな日本市場で頑張るよりも、世界の市場で戦った方が利益を追求できるのはその通りだろう。
だが、足元となるべき日本のユーザーとの心がここまで離れてしまったら、取り返しのつかない事態になる。
今日産では、開発エンジニア達の日産離れが急激に進んでいるという。日産の経営層が、日本国内市場をないがしろにしてきたツケは、すでに日産の身に降りかかっている。
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