スカイラインクロスオーバー(2009~2016年)
スカイラインクロスオーバーはもともと、日産の高級車ブランドであるINFINITI(インフィニティ)のクロスオーバーSUVEX35として、2007年に誕生したクルマである。
シャシーなどのコンポーネントはG35(日本名:スカイライン)と共用、3.5Lエンジンと7速ATで、FRと4WDを用意、G35のハンドリングと乗り心地の良さを持つ小型のプレミアムSUVと位置づけられたクルマだ。日本市場には2009年に登場した。
しかし、クロスオーバーSUVと銘打ってはいたが、荷室はとても狭く、また値段が高かった(420万円~)。
さらにはモデル末期まで燃費の悪い3.5Lエンジン仕様しか存在しなかった。そのため、日本の顧客には受け入れられず、当然販売も伸びなかった。一代で終わらせたのは正解だったであろう。
せめて中国で出していた2.5リットルVQ25HR型エンジン仕様でもあればよかったのにと残念でならない。
デュアリス(2007~2014年、一世代で消滅)
2007年に誕生したデュアリス(海外名:キャシュカイ)は、ヨーロピアンテイストのある質実剛健としたデザイン、比較的小柄なボディ、優れたNVH、そしてしっとりした走りを実現していたクロスオーバーSUVであった。
デュアリス廃止は、日産の戦略的撤退だったと筆者は考えている。
兄弟車のエクストレイルとの顧客の食い合いになり台数を分割されるよりも、国内は前型から評価の高かったエクストレイルへ一本に絞ったほうが、メーカーとして販売台数増に貢献できる。
エクストレイルに販売の基軸をおいたおかげか、エクストレイルの国内販売はその後も順調で、2018年には4WD SUVの国内販売台数NO.1を達成している。
下のクラスにはジュークがあったことも、日産としては安心感があったのだろう。筆者は、この判断は正解だったと考える。
ラシーン(1994~2000年、一世代で消滅)
日本車としては珍しく、時間がたつほどに味の出るクロスオーバーSUVラシーン。
ボディに傷がついて錆が出たとしても、返ってその緩さがカッコよく見え、ラシーンは絶版から20年も経つが、絶版後に価値が落ちるどころか、上がるようなブランドとなった。
このようなブランドは、自動車メーカーとしては財産である。
このラシーンを含め、日産は過去にBe-1などパイクカーと呼ばれるクルマを何台か出しているが、現在は、そのどれもが販売終了となってしまっている。
1990年前後にヒットしたパイクカーシリーズは、そのデザインやレトロな雰囲気によって、若者達を虜にしていた。総生産台数を限定するといった売り方も話題になった。
つい先日、スバルが555台限定で、WRX STI EJ20 Final Editionを発売し、応募が殺到していたが、
このように、期間限定特別モデルとして売り切り販売するニッサンのパイクカーシリ―ズとして継続していたら、今でも通用していたのでは? と考える。
ボディステッカーのような小手先の変更では通用しないであろうが、このパイクカーシリーズの終了は失敗だったと筆者は考える。
ちなみに、2019年の現在でもラシーンを専門とした中古車店がある。
購入されるお客様は、このラシーンの持つシンプルなキャンバス感を、現代風のオシャレと解釈し、ライフスタイルに落とし込んでいるようで、シンプルにスチールホイールで乗るのが流行りだという。
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