■結果として1代限り それでも14年間愛された理由とは?
ダイハツ テリオスキッドが1代限りで生産終了となった理由。
それは要するに、「設計的に古くなったから」というのと「軽オフローダーというジャンル自体が衰退したから」という理由のダブルパンチです。
テリオスキッドが販売終了となった2012年といえば、すでに先代のダイハツ ムーヴ(2010年12月~2014年11月)がよく売れていた時代です。
そんな時代に「1998年頃に設計された車」は、さすがに各部の古さを隠せません。
「じゃあフルモデルチェンジするか?」といっても、軽オフローダーというジャンル自体が衰退していましたし、そもそも数が売れる分野でもないため、企業としては次期型の開発に簡単にゴーサインを出すわけにもいきません。
それゆえテリオスキッドの生産終了は「まあ仕方なかった」という結論になります。
しかしここで考えるべきは生産終了の理由ではなく、「そもそもなぜ、テリオスキッドはそんなに長く作り続けられたのか?」ということでしょう。
それは結局、テリオスキッドが「他にもありそうだけど、よく考えると似たような車はない唯一無二の存在で、なおかついろいろよく出来た佳作だったから」ということになるはずです。
「本格的な悪路走破性能を有していて、なおかつオンロードでもよく走る軽自動車」というのは、テリオスキッドだけでなくスズキ ジムニーや三菱パジェロミニあたりも該当するでしょう。
しかし「それでいて5ドアでもある」という軽自動車は、1998年から2000年代あたりの時代はテリオスキッド以外に存在していなかったのです。
しかもテリオスキッドの5ドアは決して「無理やり5ドアにしました」という感じではなく、特に後席の居住性は、当時の軽SUVとしては抜群とすら言えるものでした。
オンロードではキビキビとよく走り、雪深い道なども平気な顔して悠々クリアでき、なおかつ5枚のドアと広い後席を備えた実用的な軽自動車として、テリオスキッドは一部の「それを必要とする人々」に愛されました。
結果として1代限りで終わってしまいましたが、しかしそれは「悲運」とか「不遇」とかそういったものではなく、車としてけっこう幸せなモデルライフだったような気がします。
■ダイハツ テリオスキッド 主要諸元
・全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1695mm
・ホイールベース:2420mm
・車重:990kg
・エンジン:直列3気筒DOHCターボ、659cc
・最高出力:64ps/6400rpm
・最大トルク:10.9kg-m/3600rpm
・燃費:16.8km/L(10・15モード)
・価格:127万500円(2006年式L 4WD 5MT)
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