新型日産リーフが発表となり、SNSでは賛否両論いろいろな意見が出ている。そうやって議論が巻き起こるのはとっても大事ですが、リーフの資料に「Cd値0.26」という文字が踊っていた。もちろんすごいんだけど、これって日産が25年前に達成していた数値って知ってた?
文:ベストカーWeb編集部/画像:日産
【画像ギャラリー】未来を象るデザインで空力性能アップな新型リーフ!! だがそこはV35スカイラインが25年前に通過した場所だッッッ!(16枚)画像ギャラリー「驚異的な数値」は本当に驚異的なのか?
新型日産リーフが発表された。もちろん好みはあるだろうけれど、担当としては「もうちょっとシュッとしてたらな」という感想。アリアのコンパクト版という印象が抜けないのも事実で、もう少し日産らしさがあればと思ってしまうがちょっと欲張りだろうか?
そんな日産新型リーフ。実はプレスリリースで「Cd値0.26」という空力特性をアピールしている。日産が公開したインサイドビデオには下記のような文言がある。
【新型「リーフ」のエクステリアデザインは空力を重視して設計されており、力強く圧倒的な存在感を誇ります。デザインと開発チームのメンバーは、スリークで大胆なエクステリアを持つファミリーユースに適したEVを作り出すだけでなく、米国と日本での空気抵抗係数(Cd)が0.26という驚異的な数値を達成しました。】
この「驚異的な数値」というのが自動車メディアとしては引っかかってしまうのだ。もちろんケチつけるなというご意見もわかるが、正確にこのCd値の凄さを紹介したいと思う。
2001年のスカイラインが達成した「0.26」と「ゼロリフト」
世界的に見れば空気抵抗係数(Cd値)は年々下がっていっている。シミュレーション精度が格段に上がり、データ上で空力的に有利なデザインはある程度導き出せる時代だ(それが魅力的かは別問題)。
ちなみに新型リーフのCd値0.26が驚異的かどうかだが、正直に言えば「普通からやや優秀」というところ。アリアの0.297と比べればたしかにいい。しかし他社のEVを見ればテスラモデルYが0.22、ベンツEQBが0.28。さらに言えばベンツEQSは0.20となっている。
ちなみに先代プリウスでも0.24と数値的には新型リーフを上回る数値を出している。さらに言えば2001年登場の日産スカイライン(V35)ではCd値は純正リアスポイラー装着で0.26(非装着0.27)、さらに前後ゼロリフトを達成している。
Cd値を下げればいいのかと言えば実はそうではなくて、車両が浮き上がる揚力係数も関わってくる。空気抵抗を抵抗とならない範囲でうまく使いつつ、車両に揚力を発生させない数値まで持っていくのが大変なのだ。
つまりCd値が低いだけではなく、ゼロリフトへ近づけるも操縦安定性などを考えると大きな鍵になる。V35スカイラインがいかにこだわった車両開発だったかご理解いただけるはずだ。
結局のところボディ形状も大切だったりする
こうなると新型リーフがちょっとかわいそうにも思えるが、実はリーフのようなボディ形状は空力的には不利だ。ベンツのEQBなど「ザ・SUV」のボディ形状だとCd値は0.28。一方でセダン形状のEQSの0.20というのは空気抵抗が少ないボディ形状の効果である。
ただ「驚異的」というのはいくらリーフのボディ形状だとしてもちょっと言い過ぎにも思える。ヘッドスペースにも余裕のあるボディスタイルのテスラモデルYだって0.22を達成しているわけだし、スペック的にも日本国内だとガチンコになりそうなライバルなのだからCd値で勝負をしてもどうかと思うのだ(リーフがかなりのロープライスなら話は変わるが)。
日産のテクノロジーの凄さはなにもCd値だけじゃない。自動車を構成するひとつの数値だけに過ぎず、そこにあまり「驚異的」という言葉を使わなくてもいいのではないかとも思ったり。ぜひ日産としては伝統のある「自動車メーカー」としてのこだわり、それこそ安全性やドライバビリティなんかをもっとアピールしてほしい。
エンジニアの皆さん、語りたいこともっとあるはず!!



















コメント
コメントの使い方空気抵抗は前面投影面積×Cd値だからCd値より実際の燃費(電費)が肝心。
全長が短い中でCd値が0.26というのは頑張ってるとは思う。
カッコ悪い(>。<)
e-Powerを電気自動車と謳うことと根本は変わらないと思います。
こんな所から徐々に信用を失っていく事を理解して欲しいものです。