車載アンテナ大手のヨコオが、透過率80%超の“透明アンテナ”を開発。電波性能とデザイン性を両立し、クルマからビル、住宅まで活用が広がる革新的技術だ。7月の「人とくるまのテクノロジー展 2025 NAGOYA」で初公開される注目技術を、ベストカーWebがわかりやすく解説!
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
見えないのに高性能!「透明アンテナ」が変えるクルマと社会
「アンテナ=黒くて目立つパーツ」という常識が、今まさに覆ろうとしています。
その最前線にいるのが、車載用アンテナを主力とする株式会社ヨコオ。2025年6月末、透過率80%以上を誇る“透明アンテナ”の開発を発表し、大きな注目を集めています。
この新技術がすごいのは、見た目にほとんど気づかれないほど透明なのに、4G, 5G, Wi-Fi6, Wi-Fi6E, Wi-Fi7といった幅広い通信帯域に対応している点。しかも、コネクタ不要の“容量結合給電方式”を採用し、構造がシンプルで高耐久。これまでにないアンテナのあり方を提示しています。
クルマに最適な理由とは?
ベストカーWebとして特に注目したいのは、この技術が「車載向け」に極めて理にかなっている点です。
・景観を損なわずに設置可能:ウインドウに貼っても視界を遮らないため、内外装デザインの自由度が一気に広がります。
・小型化&高耐久性:給電がワイヤレス式なので、配線やコネクタまわりの故障リスクが減少。振動や熱の多い車載環境において大きなメリットです。
さらに今後は、車載器やドローン、建機、工場・港湾インフラ向けといった多様なフィールドでの展開が期待されています。
建物・街中にも「見えない通信」が広がる!?
この透明アンテナの活躍はクルマだけにとどまりません。住宅やオフィスビルの窓ガラスに設置すれば、内部スペースを有効活用しながら通信性能を確保できるという特長も備えています。
たとえば:
・オフィスのWi-Fiアンテナを窓に配置→空間のレイアウトが自由に
・店舗のガラス面に通信機能を設置→外観を損ねずにネットワーク構築可能
「見えないインフラ」として、今後、スマートビルやスマートシティの中核技術になり得るポテンシャルを持っています。
技術の裏側にある“車載アンテナのノウハウ”
今回の透明アンテナが高性能なのは、ヨコオが長年培ってきた車載アンテナ技術の蓄積があるからです。
過酷な自動車環境で培った耐久性・安定性のノウハウをベースに、他業界へ展開できるのは大きな強み。とくに今後は、住宅建材市場への本格進出も視野に入れており、スマートホームやIoT普及の重要な起爆剤になる可能性があります。
まとめ
ヨコオの「透明アンテナ」は、デザイン性・耐久性・電波性能を高次元で融合した画期的技術。車載用途はもちろん、住宅や都市インフラの未来を変える“見えない主役”として、今後ますます注目が高まるはずです。


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