ランクル70はまだ売るってば!! メディアもSNSも落ち着け!! 「手に入らない=生産中止」の思考はどうにかならないのか

ランクル70はまだ売るってば!! メディアもSNSも落ち着け!! 「手に入らない=生産中止」の思考はどうにかならないのか

 定期的にSNSなどに浮かび上がるランドクルーザー70の生産終了話。公式はカタログモデルとの説明を繰り返しているが、なぜこうも根の葉もない噂がどんどん出てくるのか。そこにメディアまで登場してよくわからない情報を流している。今回はその理由を分析してみた。

文/写真:ベストカーWeb編集部

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ランクル70を生産終了にしたい謎勢力

頻繁に生産中止の噂が出回る大人気ランクル70。だが一度その情報の出処を冷静になって考えてみてほしい
頻繁に生産中止の噂が出回る大人気ランクル70。だが一度その情報の出処を冷静になって考えてみてほしい

 ランクル70は2023年末に復活して以来、着々と生産を続けて月間目標生産台数400台を超える生産量を誇ってきた。もちろん需給バランスの関係で納期まちが発生しているのは事実で、現状としてディーラーサイドでは「買えません」と話をされた人が多いのも事実だ。

 しかしトヨタとしてはカタログモデルであり生産は継続しており、受けたオーダーをこなし続けることをしている。月産500台を超える月もあるなどその生産は順調に推移している。

 しかしSNSやメディアのなかには「生産終了」を囃し立てるものが多い。そのなかでも多いのが「ディーラーで聞いた」というもの。

 もちろん販売会社とメーカーの関係もあるのだが、基本的にどのモデルが販売継続か、生産終了かは上層部しか知らないケースが多い。最前線の営業マンにとっては「受注ができない」は「売れない」と同義だし、そのような状況なら「もう売らないんじゃないんですか?」という言葉が出てくる可能性も高い。

 ましてやトヨタがいかに正しい情報を流したとしても、その事実を知るのは販売会社の上層部のみになるケースが増えてきた。現場までそれを共有すると情報がひとり歩きしたり、それこそ供給を上回る受注を取りかねない状況になりかねないからだ。

 さらには商談が進み納期待ちのケースはまだしも、商談にすら持ち込めない人にとっては「ランクル70」は面白い車種ではないだろう。そこでまた根も葉もない噂を生み出す人もいれば、1の情報を100にする人もいるだろう。それこそが怪情報のソースだと思われる。

結局はこのまま継続販売されるぞ

噂のアドブルー補充口を開けた姿
噂のアドブルー補充口を開けた姿

 結局どうなってんだよ、というとランクル70は継続発売される。そもそも生産終了を謳う人々の根拠が弱すぎる。関係者への徹底した取材に基づいたデータをまとめてみた。

 エミッションについては1GDエンジンはユーロ6対応で、ユーロ7への対応が進んでいるという話も聞く。それでなければランクル250を今後も欧州で売ることができない。ただし豪州などを含めて今後のナナマルは日本同様のアドブルーモデルになるのは時間の問題だろう。

 騒音規制もフェーズ2への対応はとっくに完了しているが、フェーズ3についても視野にいれた開発がされていると見るのが自然だ。再再販の発売時に場当たり的な開発をトヨタがする意味がないし、実際にしていない。

 さらに自動車メーカーの燃費や二酸化炭素排出量を規制する「CAFE規制」についてもまだ安心感はある。というのも「3ナンバー」の乗用として登場した現行のランクル70は、あくまでも乗用車としてのカテゴリーに入る。

 これがもし商用バンとしての登録だった場合は、トヨタの商用ハイブリッドモデルはプロボックスのみ。そうなると商用カテゴリーの規制が相当厳しいものになるから、お世辞にも高燃費とは言えないランクル70の肩身は狭くなる。

 しかし乗用車枠であればトヨタはハイブリッド、PHEV、BEV、FCVなど電動モデルも多く有利だ。そこまで見越しての3ナンバーでデビューしたと考えるのが自然だ。

 登場しただけでもありがたいランクル70と思ってしまうが、それでも「バンじゃないと」とか「6気筒じゃないと」と言う人が多いのだから、ランクル界隈はなかなか熱心なファンが多い。時代に合わせて進化することこそナナマルだと思うのだが……。

 そして国内への生産量だが、こればかりはオーストラリア、中東向けの車両がメインであり致し方ないところ。前述したが月産400台の計画は下回っておらず、500台を超える月もある。なんとなくの「エモさ」や「レトロ感」で購入して辟易としているユーザーもいるようで、中古車相場もかなりこなれてきた。

 取材で得た情報をまとめると結局は国内販売をやめる明確な理由はない。もちろん急激な法整備などがあればやむなしだが、それはランクル70に限った話ではない。手に入れたい場合は冷たいディーラーマンがいたとしても、落ち着いて冷静に商談の列に並ぶ、そしてその列を探すしか他にないのだ。

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