■タイミングが悪かった? トヨタブランド再編の転換期
2020年を中心としたこの時期は、トヨタにとってはタイミングも悪い。SUVジャンルでは「新型ハリアー」「新型ランドクルーザー」が6月、8月に相次いでフルモデルチェンジする予定となっている。しかも、Tjクルーザーと同じアッパーミディアム&ラグジュアリークラスだから、クロスオーバー、ラフロードSUVともカバーして競合、投入効果が低下するおそれがある。
しかも、トヨタはトヨタブランドの車種数を2025年までに、2017年の約60車種から半分の30車種に削減する方向で調整作業を進めている。2020年5月にはトヨタブランドの扱い4系列店を全国規模で統合1本化し、全店がほぼ全車種併売態勢に切り替える。そうなると各販売店のお扱い車種数が大幅に増えて、各店舗の営業担当者はこの時期新しく扱うモデルの商品内容を覚えるのにてんやわんやの状況にある。
2019年はマークX、エスティマが生産中止になったものの、RAV4の復活や新たにダイハツからOEM供給しているライズ、ラグジュアリイワゴンのグランエースなどが加わり、むしろ扱い車は増えている。こうした状況下で、これ以上車種を拡大できないという事情もあるのではないだろうか。
■現場の営業マンはどう見たのか?
●証言:首都圏トヨタ店営業担当者
Tjクルーザーの発売についてはメーカーから正式に通達があったわけではない。しかし東京モーターショーに参考出品され、注目されるとほとんどの場合、1~2年後に市販モデルが発売されるので、Tjクルーザーも発売されると期待していたので残念だ。
ただ、これまで発売しないと表明し、しばらくして発売する、生産中止したのを復活させる、あるいは一度生産中止するのを決めてまた新型を投入したりするケースはたびたびあったので、このTjクルーザーの方針も近い将来変わる可能性があるかも知れない。
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