アイシンはネッツトヨタ郡山と連携し、次世代型のペロブスカイト太陽電池を用いた実証実験を開始した。壁面設置という新しい可能性を探る取り組みであり、カーボンニュートラル実現に向けた大きな一歩となる。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
次世代型太陽電池の実用化に向けて
トヨタグループとして自動車部品などを手掛けているアイシンは2025年9月7日、ネッツトヨタ郡山と協力し、新規店舗「ネッツトヨタ郡山 安積店」の壁面にペロブスカイト太陽電池を設置したと発表しました。
従来は屋根への設置が一般的だった太陽電池ですが、壁面に加飾した状態で実証を行うのは国内でも珍しい先進的な試みです。
ペロブスカイト太陽電池は軽量かつ柔軟性に優れ、これまで困難とされてきた壁面や荷重制限のある屋根にも対応できるのが特徴です。それでいて、既存のシリコン系太陽電池や化合物系太陽電池にも劣らない変換効率を持ちます。
デザインと発電の両立へ
今回の実験では、店舗のイメージカラーに合わせた青色パネルを採用し、景観との調和を重視した設置が行われました。
内陸部であるために大きな寒暖差が見られる郡山は、発電性能や耐久性を検証するには最適な環境です。アイシンとネッツトヨタ郡山は、青色に加飾したパネルと黒色パネルを比較し、発電効率や周囲への反射光の影響を調査します。
発電した電力は店舗の一部の照明やコンセントに使用され、実際の運用データを蓄積するとのこと。
アイシンは有機系太陽電池の研究開発に20年以上取り組んできました。薄ガラスを用いた独自フィルム構造による高い耐久性の実現を目指しているとのこと。今回の実証実験は、カーボンニュートラル実現に向けた同社の技術力と姿勢を示すものだと言えるでしょう。


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