冬の“急な積雪”に備えておきたいタイヤチェーン。しかし重い金属チェーンは扱いにくく、布製は耐久性に不安……という声も多い。そんな中、イッセ社が2025年冬に投入した新モデル「イッセ・スノーソックス リサイクル」は、約30本のペットボトルから生まれた再生素材を採用しながら高いグリップと耐久性を実現した注目の一品である。本記事では新技術の詳細と実用性を深掘りする。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
冬のドライブに“軽くて強い”新選択肢、誕生
スペインのイッセ社が開発する布製タイヤチェーン「イッセ・スノーソックス」。2019年の日本上陸以降、欧州メーカー純正採用やロードサービス現場での高い評価を得てきた。その最新作として2025年11月に発売されたのが、再生ポリエステルを使った新モデル「リサイクル」だ。
最大の特徴は、1セットに使用される繊維のうち約30本分のペットボトルをリサイクルして製造されている点。環境配慮と安全性を両立した“次世代スノーソックス”として大きな注目を集めている。
価格は全6サイズ共通で1万8000円(税込1万9800円)。カー用品量販店やオンラインストア(公式:https://issechains.jp/)で購入可能だ。
特許技術で「ズレにくい・切れにくい」を実現
布製チェーン最大の課題は、装着後の「ズレ」や走行中の「摩耗」である。イッセ・スノーソックス リサイクルは、1枚の布に2種類の織り方を組み合わせる独自技術(特許取得済)を採用。縫い目のないシームレス構造によりタイヤへの密着性を高め、布の重なり(ギャザー)を低減している。
さらに自動的にセンター補正を行う「オートセンター機能」を搭載し、走行中の安定性にも寄与する。約30℃の条件下でアスファルト70km走行のテストでも穴やほつれがないことが示されており、布製とは思えない耐久性を誇る。
“なぜ滑らないのか?” グリップの仕組みを解説
布製チェーンでありながら、金属チェーンに匹敵する加速・制動性能(EN16662-1試験に基づく)を持つ理由は、特殊な「より糸構造」にある。
雪道では雪が溶けて水膜を作ることでスリップが起きる。イッセのスノーソックスはこの水膜を素早く吸収し、外側に排出。乾いた繊維が路面に密着し、グリップを復活させる仕組みだ。
一方でアイスバーンのような水分の少ない路面では、繊維が氷と密着して“指が氷につくように”路面を捉える。吸水性・排水性・耐久性を高次元でバランスさせた布製チェーンは珍しく、同ジャンルの中でもトップクラスと言える。
6サイズ展開で「ほぼ全タイヤ」に適合
従来モデルからの大きな変化として、生地のブルーカラーもポイントだ。再生ポリエステルとは思えない鮮やかさで、タイヤ周りにアクセントを加えてくれる。“安全アイテム=地味”というイメージを覆し、冬のドライブを少し楽しくしてくれる存在である。
パッケージには手袋と取扱説明書も同梱され、装着は約3分。緊急時にも扱いやすい点はユーザー目線でも高評価だ。
サイズは6種類。市販タイヤのほとんどをカバーしており、SUV・ミニバン・コンパクトカーまで幅広く対応する。パッケージ重量は840g〜1020gで、一般的な金属チェーンの約1/4以下。車内に常備しても負担にならない軽さである。














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