2026年3月の新車販売ランキングで首位を獲得するなど、今なお高い人気を誇るトヨタ シエンタ。コンパクトミニバンの代表格として知られるが、実は販売の中心は7人乗りではなく5人乗りモデルだという。なぜユーザーはあえて2列シートを選ぶのか。その理由を探ってみた!!!!
文:佐々木 亘/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】むしろワゴン感覚で使える!? シエンタ5人乗りの広々室内と実用性がスゴい!!(37枚)画像ギャラリー販売の約半数が2列シート車という驚きの現実
現行型シエンタは2022年8月に登場した。発売直後から、メーカーの想定を大きく上回る注文が入ったモデル、それが2列シート車だ。
シエンタといえば、コンパクトなボディに3列シートをうまく収めたミニバンというイメージが強い。車名も「7」のスペイン語であるシエテから由来するから、メーカーも7人乗りモデルを推している。しかし現在の売れ方を見ると、ミニバンというよりもステーションワゴン的な使い方をユーザーが求めた結果であることがわかるのだ。
2列シート仕様は、先代のマイナーチェンジ時に「FUNBASE」という追加グレードとして初めて設定されたが、この時は後発ゆえにそれほど大きな支持は得られなかった。しかし現行型では、2列5人乗りを基本グレードのラインアップに正式に組み込み、7人乗りより約4万円安い価格を設定した。
その結果、後席スライドドアを備えた余裕ある室内空間のワゴンが、売れ筋の中間グレード「ガソリンG」で車両本体242万4400円という手の届きやすい価格で選べるのだ。販売店に聞くと、Gグレードを選ぶユーザーの多くがガソリンの5人乗りを選び、7人乗りを求めるユーザーはZハイブリッドを選ぶ傾向があるという。その割合は、およそ半数が5人乗りを選択している計算だ。
「これは現行型になって初めてわかったユーザーニーズ」と、トヨタ販売店の営業マンも驚きを隠せない。
コンパクトカーに求めるのは「全部乗せ」ではなく「ちょうどよさ」
シエンタと同クラスのライバルであるホンダ・フリードと比較したとき、3列シート仕様において大きく異なる点がある。シエンタの2列目がベンチシートであるのに対し、フリードは2列目にキャプテンシートを選べる構成だ。この違いが、3列目シートの使い勝手に直結している。
シエンタで3列目にアクセスするには、必ず2列目シートを前に倒す必要がある。一方フリードはウォークスルーで3列目へ移動できるため、フリードユーザーには片側だけ3列目シートを常時展開して使っているケースが結構多い。
対してシエンタでは、「ときどき使う」3列目を常に出しっぱなしにしているユーザーは少数派だ。必要なときだけ展開する、それがシエンタにおける3列目シートの位置づけと言っていい。
そうなると、先代の3列シート車を持っていてもほとんど3列目を使わなかったユーザーや、もともと5人乗り車に乗っていたユーザーにとって、3列目シートは「あるだけ」の存在になりがちだ。いざというとき役立つかもしれないが、そのシチュエーションがいつ来るかはわからない。
一昔前は「コンパクトカーに全部乗せ」が流行ったが、今のユーザーはより現実的だ。3列シートにすれば価格は上がり、荷室床面は完全フラットにならない。メリットとデメリットを冷静に天秤にかけた結果として、5人乗りを選ぶユーザーが増えているのだろう。
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