え!? ヴェゼルがHR-V!? 世界共通名急増でも車名を「分ける」戦略と事情

ホンダや日産はフィットやエクストレイルでなぜ棲み分け?

■ホンダ フィット/ジャズ

お馴染みホンダのフィットは欧州などで「ジャズ」の車名で販売

「語感の響きなどを考慮して、フィット/ジャズと仕向け地によって分けています」(ホンダ広報部)

 フィットは、初代モデルが登場する際「フィッタ」という車名になる予定だったのだが、フィッタはスウェーデン語で女性器を意味するため、フィットになったという説がある。

 このため、特に欧州ではジャズの車名を使っているのかもしれない。

■ホンダ ヴェゼル/HR-V

ヴェゼルの海外名は、日本では絶版となった「HR-V」の名が使われる

「実はイタリアなど欧州でかつてのHR-Vが非常に売れたという背景もあり、同じBセグメントのSUVということで上記の地域ではHR-Vの車名を使用しています」(ホンダ広報部)

 旧HR-Vの欧州でのヒットは意外な話だが、考えてみると旧HR-Vは日本人には分かりにくかったが、スタイリッシュだったこともあり、欧州で受けたというのは分かるところもある話だ。

■日産 エクストレイル/ローグ

エクストレイルは米国などで「ローグ」の車名で販売

「弊社では、マーケットに根差したモデルネームの採用をしているためになります」(日産広報部)

 エクストレイルとローグに関しても、やはりそれぞれの市場に応じた車名を使っているというのがその理由のようだ。

 また、エクストレイルという車名について日産広報部は、意外なエピソードも教えてくれた。

 実は第32回東京モーターショーに出展していた“トレイルランナー”をルーツとして、そのコンセプトを昇華して市販化されたのがエクストレイルだという。

 当時、米国市場でもフレーム車のX-terraの販売が好調だったことと若者向けのスポーツX Games(Extreme Games)のブームも相まって“X-”とトレイルランナーの”トレイル”を取ってX-Trailという車名になったという。車名にもさまざまなエピソードがあるのだ。

実はスバルも一部で車名を使い分け! その理由は?

■スバル XV/クロストレック

XVと同型モデルとなる米国仕様のクロストレック。こちらにはPHEVもある

「市場によって受ける印象が異なる場合があり、それに応じて車名を使い分けています。またクロストレックは、実は当初『XVクロストレック』として販売しており、2016年モデルから現在のクロストレックへ車名を変更した経緯があります」(スバル広報部)

 米国で販売されるXVが、XVクロストレック→クロストレックと車名を変えているのは、かつてあったホンダ クイントインテグラがインテグラになったり、カローラセダンがカローラアクシオから現行モデルでは単にカローラとなったのと同じような話だろうか。

■スバル レガシィ/リバティ(豪州)

 これはXVと同じ理由。

 また、レガシィは英語で「偉大なる伝承物、遺産」という意味だが、オーストラリアではレガシィという言葉が戦争を連想させるところがあるのも、車名をリバティにしている理由のようだ。

◆  ◆  ◆

 車名が地域によって変わるのは地域によってクルマのポジションが変わったり、他の物事も捉え方が変わる場合がよくあるのと同じように、「ところ変われば」という理由が大きいようだ。

【画像ギャラリー】意外と知らない!? 日本と異なる車名で売られる海外の国産車

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