ダウンサイズターボが日本で流行らないのはガソリンのせい?

走る楽しさと低燃費を両立する。この相反する2つの要素を実現するエンジンとしてダウンサイズターボは大いに注目を集めた。しかし、欧州で市民権を得たのに対し、日本ではなかなかダウンサイズターボが普及していない。実はその理由の一端はガソリンに隠されていたのだ。
文:国沢光宏/写真:編集部


ハイオク仕様かレギュラー仕様かで異なるスペック

間もなく日本で発売されるシビックのアメリカ仕様は、最高出力176ps/最大トルク22.4kgmを発生する1500ccターボエンジンを搭載している。

大雑把にいえば2300ccのターボなしに相当する出力だと考えていいだろう。このエンジン、日本でもステップワゴンに搭載されており、レギュラー仕様で150ps/20.7kgm。ターボなしエンジンなら2000cc級に相応する。

ドコが違うかといえば、ガソリンの種類です。日本仕様はレギュラーじゃないと売りにくいということで、90オクタン対応。アメリカで売っている仕様は、日本式にいえば95オクタン相当くらいのガソリンを前提にしている。

ちなみに日本のオクタン価は『RON』という基準の表示。アメリカだと『AKI』基準になるため、表示されているオクタン価と少し違う。

今夏日本で発売予定の新型シビック。1.5Lダウンサイズターボエンジンは、レギュラーガソリン仕様とするなら、ステップワゴンと同等のスペックとなる可能性が高い

ガソリンによってエンジン性能は段違い
90オクタンと95オクタンでエンジン性能が違うかと聞かれたなら「圧倒的に違いますぜ!」と答えておく。なかでもビミョウなのが熱効率を追求したダウンサイジングターボである。

90オクタンだと高負荷時にノッキングしてしまうため、点火時期を遅らせなければならない。95オクタンなら過給エンジンの美味しい部分を引き出せるのだった。

ちなみに150ps仕様も176ps仕様も、日本のカタログに記載されるJC08モードだと燃費差ほとんどなし。したがってハイオク仕様にしてもメリットがない。

けれどアクセル開度大きい使い方をすると、ハイオク仕様は燃費よくなります。実用燃費で10%よくなれば、ガソリン価格が5%高くたってメリットある。だからこそアメリカもヨーロッパもダウンサイジング人気なのだった。

走りの楽しさにもガソリンの質が影響

もう少し突っ込んで書くと、ハイオク使うからダウンサイジング過給に「面白さ」が出てくる。

ステップワゴンの1500ccターボ、出力もトルクもライバル車の2000ccとイーブン。燃費はむしろ若干の負け。

1.5Lダウンサイズターボエンジンを搭載するステップワゴン。ハイブリッドで勝負するトヨタ ノア/ヴォクシー、日産 セレナに対して販売面では苦戦を強いられている

コスト的には高額なタービンやインタークーラー、直噴使うダウンサイジング過給のほうが高い。だったら安価なターボなしエンジンで充分でしょう。

いずれにしろ平均走行速度の低い日本の道路事情を考えれば、ダウンサイジング過給エンジンにハイオク入れて走るより、排気量の大きい普通のエンジンのほうが効率的だ。

今後も平均走行速度が上がるとは思えないから、ダウンサイジング過給の普及は難しいかもしれません。

中国などの新興国や東南アジアなども、オクタン価の高いガソリンは値段が高いため普及しない?

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