水平対向エンジンを作っているメーカーは少数派で、ポルシェと並び日本のスバルが有名だが、その中でもスバルのフラット6はかなり希少価値が高い。
スバルのフラット6は1987年にアルシオーネに追加されたのが始まりで、現状では先代レガシィアウトバック3.6Rに搭載されたEZ36が最後になっている。
そのスバルのフラット6の歴史の中で燦然と輝いているのが1991年にデビューしたスペシャルティクーペのSVXと言っていいだろう。SVXはまさにスバルのフラット6のシンボルと言える存在だ。
そのSVXは日本での販売台数が少ないうえに生産終了してから20年以上という年月が経過しているため中古車のタマ数も多くない。
本企画では、スバルのスペシャルティクーペの中古車のタマ数、相場などについて最新情報をレポートする。
文:萩原文博/写真:SUBARU
【画像ギャラリー】現在はスバルのラインナップから消滅!! スバルのフラット6搭載車ヒストリー
フラット6は現在のスバルからは消滅
別名“フラット6”と呼ばれる水平対向6気筒エンジンを搭載しているクルマといえば、ポルシェ911を思い浮かぶだろう。
そして国産車メーカーの中で水平対向エンジンを搭載しているのは、もちろんスバルだ。残念ながら現在は4気筒のみとなっているが、かつてはフラット6を搭載したモデルが販売されていた。
中古車でも比較的手に入れやすいのは、2003年9月に発売された4代目レガシィに設定された3.0R。最高出力250ps、最大トルク304Nmを発生する3L水平対向6気筒エンジン+5速ATを搭載。さらに2004年にはスペックRという6速MT車も設定された。
3代目レガシィにはGT30、そしてポルシェデザインのエアロパーツを纏ったブリッツェン6というモデルが設定されていたが、こちらは入手困難となっている。
また、2009年に登場した先代アウトバックには最高出力260ps、最大トルク335Nmを発生する3.6L水平対向6気筒エンジン+5速ATを搭載した3.6Rというグレードが設定されていた。
SVXは当時のスバル車ではかなりの高額車
しかしスバル車の中でフラット6を搭載したモデルの中で、シンボル的そしてレジェンド存在といえば、1991年9月に登場したスバルアルシオーネSVXを思い浮かべるはず。
そこで、今回は1997年に生産終了し、約23年が経過しているアルシオーネSVXの中古車事情に迫ってみる。
1991年9月に登場したアルシオーネSVXは、2ドアのラグジュアリークーペで、ガラスを多用したキャビンが特徴。
外観デザインはイタルデザインのジウジアーロが担当し、サイドウィンドウは一部しか開閉せず、当時高速道路のチケットの受け取りや駐車場の支払などでは若干不便な面もあった。
搭載されるエンジンは、最高出力240ps、最大トルク309Nmを発生する3.3L水平対向6気筒エンジンで、ミッションは4速ATが組み合わされていた。
駆動方式は不等&不変トルク配分のVTD-フルタイム4WDで、乗り味は非常にソフトDE、ロングツーリングを得意としたGTカーに仕立てられていた。
デビュー当初の販売価格は333万3000~399万5000円とスバル車としてはかなり高額で販売は苦戦した。
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