自動車文化を守れ!! 13年超車の重課税に反対せよ

自動車文化を守れ!! 13年超車の重課税に反対せよ

 ゴールデンウィーク明けに郵送されてくる自動車税の納付通知は、自動車ユーザーにとって毎年ズシリと重い。

 それが複数所有、重課税される13年超の古いクルマに乗っている人、その両方というにはダブルパンチ、トリプルパンチである。

 車種によっては15%増しでたかが数千円の負担増という見方もできるが、果たしてそれでいいのだろうか。

 さらに言うならば旧車は環境負荷が高いというが、一律でくくるのはどうだろう? 燃費が悪いクルマならば、それだけ多くガソリン税を払っているというのに!

 当記事ではそのトリプルパンチを食らっている筆者が古いクルマに対する重課税廃止を自分の経験を交えながら訴える。

 文:永田恵一/写真:TOYOTA、SUBARU、SUZUKI、Adobe Stock(naraz-stock.adobe.com)


■古いクルマに対する重課税ってどんなもの?

永田氏が所有していた2代目センチュリーは、5L、12気筒DOHCで280psと強烈なスペック。自動車税は8万8000円だが、2000年式なので13年超えで10万1200円とさらに高額に

●自動車税

 ハイブリッドカーや電気自動車などを除く13年超の登録車の自動車税が15%増しとなる。

 また軽自動車税となる軽自動車もそうで、軽自動車税は絶対的な額はともかく、以下の表の通り割合では軽自動車以外の登録車以上に大きく、特に2015年3月31日以前に初年度登録された軽乗用車が13年超になると約80%増しである。

軽乗用車の軽自動車税は、2015年3月31日以前に登録したものは13年越えでの値上げ率が高く、7200円が1万29000円に増税される。その差額は5700円で。約80%増しの値上げだ

●重量税

 車検の時の重量税も登録車が13年以上から18年未満は約40%増し、18年以上が約50%増し、軽自動車も13年以上から18年未満は約20%増し、18年以上が約30%増しとなる

■高額納税者だった昨年度の私

2020年5月初旬に到着した自動車税の納付通知書。支払期限は6月1日だ。13年超はつらい……

 筆者が昨年度持っていた(=自動車税を納税した)車両はファーストカーの2014年式トヨタ86(2L)、昨年夏までベストカー本誌で連載していた2000年式トヨタセンチュリー(5L)。

 さらに一度自分のものにするのが小さな夢だったスバル製のサンバー(2001年式、軽トラック)、そしてスズキグラストラッカー(250ccのバイク)の4台で、86とバイク以外の必要性は非常に薄い(笑)。

 では昨年度の自動車税が総額いくらだったかというと

86/3万9500円

センチュリー/8万8000円→13年超のため:10万1200円!

サンバー/5000円→13年超のため:6000円

バイク/3600円

 合計15万300円だった。センチュリーの分は「昨年度1回だけ」と覚悟は決めていたが、コンビニで4台分をスパッと払ったときはスッキリしたのと同時に「何をしているんだろう」という気持ちが複雑に絡み合ったものである。

 なおセンチュリーは昨年度で手放しており、今年度の自動車税は一気に気が楽になっているところだ。

■重課税に納得できない理由

スバル製としては最後になってしまったサンバートラック。2001年式のため、こちらも自動車税が5000円から6000円にアップ

 お国が古いクルマに重課税としている理由をまとめると「古いクルマは環境負荷が大きいから」とのことだが、これはほとんど納得できない。筆者の反論を挙げれば

●排ガスが汚い?

 排ガス規制後で25年落ちくらいまでかつ車検で問題ないクルマなら、排ガスがそんなに汚いということはないだろう。

●燃費が悪い?

 燃費の悪い古いクルマは筆者が乗っていたセンチュリーをはじめ珍しくないが、その分自動車税と使途は違うにせよガソリン税をタップリ納税しているのだから、十分ではないだろうか。

●クルマを生産する際の資源、エネルギー

 新車を生産する際には多くの資源やエネルギーを使うだけに、新しいクルマが走っているときの環境負荷は小さいとしても、生産時まで含めて総合的に考えたら本当にエコなのだろうか。

●お国が日本文化を否定するの?

 限度もあるにせよ日本には「丹精込めて造られたモノを補修しながら長く大切に使う」という世界に誇れる文化がある。

 クルマもそうで、日本車は高い耐久性を持つのに加え、90年代のスポーツモデルなどは「一生乗っていたい」という魅力を備えるほどにクルマが成長した。

 それはお国が重課税で否定するっていったい?

 このあたりを考えると唯一「環境負荷が大きいから重課税」と言われて納得する可能性があるのは触媒もない排ガス規制前の旧車くらいだ。

 しかしそういったクルマのほとんどはそれこそ趣味のもののため年間走行距離は少ないだけに、総合的な環境負荷はそれほど大きくなく、それすら正当性に欠けると思う。

次ページは : ■まとめ

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