高速道路で”ほぼ自動運転”!! 仏ヴァレオの新運転支援システムが衝撃的な理由

高速道路で”ほぼ自動運転”!! 仏ヴァレオの新運転支援システムが衝撃的な理由

 高速道路で“ほぼ自動”の走行が現実になる時代が近づいている。ヴァレオの最新ADAS「ヴァレオ・スマート・セーフティ360」は、ナビ連動の自動運転機能NOAを搭載し、従来は高級車限定だった機能を一般車にも広げる狙いだ。クルマ選びの基準が変わる可能性もある注目技術を読み解く。

文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes

高級車の専売特許だった“NOA”がついに大衆化へ

 自動運転技術の進化が止まらない。中でもいま注目したいのが、フランスの大手サプライヤーであるヴァレオが発表した「ヴァレオ・スマート・セーフティ360(VSS360)」のアップグレード版だ。

 今回の最大のトピックは、高速道路向けのナビゲーション・オン・オートパイロット(NOA)機能の追加である。これは単なる運転支援を超え、ナビのルートに沿って車両が自律的に走行するレベル2相当の先進機能だ。すでに中国の主要自動車メーカー向けに2025年10月から量産が始まっている点も見逃せない。

 従来のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)は速度維持と車間調整が主な役割だったが、NOAは一段上の領域に踏み込む。たとえば、前走車を自動で追い越す車線変更や、分岐・合流のナビ誘導、交通状況に応じた速度調整までこなす。いわば「ドライバーの代わりに考えて走る」存在だ。

 こうした高度機能を支えるのが、360度全周をカバーするセンサー構成である。フロント/サラウンド/リアカメラに加え、レーダーや超音波センサーを統合し、車両周囲の状況を常時把握。さらに、スマート・フロントカメラを中核とした中央演算構造により、従来必要だった複数のECU(電子制御ユニット)を削減している。

 この“ECU削減”は地味に見えて重要なポイントだ。車両コストや開発負担の低減に直結し、結果として高価だったADAS機能をより安価に提供できる。つまり、これまで高級車に限られていた先進運転支援が、エントリーモデルにも広がる可能性が出てきたのだ。

全走行シーン対応で「ほぼ任せられる」領域へ

 VSS360のNOAは、高速道路や自動車専用道路の“全走行サイクル”に対応する点も特徴的だ。

 具体的には、

・単一車線での巡航や停止までを制御する「シングルレーン走行」
・合流や分岐を自然にこなすナビ連動制御
・安全確認後に行う自動レーンチェンジ
・制限速度やカーブを踏まえた速度制御
・工事区間などを回避する障害物対応

といった複数の機能が統合されている。

 これにより、高速道路では「アクセルもハンドルも大部分をクルマに任せられる」領域に近づいている。ただし、あくまでレベル2である以上、ドライバーの監視は必須であり、“完全自動運転”ではない点は冷静に理解しておきたい。

 それでも、この技術がもたらす恩恵は大きい。長距離移動時の疲労軽減や安全性向上はもちろん、渋滞や複雑な分岐でもストレスが減る。日常使いのクルマこそ恩恵が大きい装備といえるだろう。

 さらに注目すべきは、ヴァレオがこのシステムを「マスマーケット向け」と明確に位置づけている点だ。規制強化により安全装備の標準化が進むなか、コストを抑えつつ高機能化するという自動車業界の課題に対する一つの答えといえる。

 今後、日本市場にどのタイミングで展開されるかは未定だが、輸入車や国内メーカーへの波及も時間の問題だろう。数年後には「NOA付きかどうか」がクルマ選びの新たな基準になっているかもしれない。

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

待望のGRヤリス、次期型判明!!『ベストカー6月10日号発売!』

待望のGRヤリス、次期型判明!!『ベストカー6月10日号発売!』

ベストカー6.10号 定価 590円 (税込み)  長かったゴールデンウィークもついに幕を…