■日用品や食品の物流は増えている
北海道で大型車に乗る菊地さんは、いち早く情報を収集して対策を立てていたそうだ。
「SNSなどで繋がっている海外の同業者たちから貰う情報がかなり早い段階で届いていましたので、日本向けのコンテナ船の出港状況などを考慮し、直接自分達に影響が出るであろう荷物の不着に関する対策を立てました。
私たちは日本国内での需給が確実にできている仕事にシフトしています。幸い、日用品や食品を運ぶ部門には影響が出ておらず、むしろ買い占め等による増便が発生していますから、平常時よりも売り上げは上昇しています。
日本のスーパーやコンビニへの配送システムは世界的に見てもかなりの優れモノで、必要な物を必要とされる場所に運ぶ流れに乱れはありません。
いっぽう、材料生産拠点を海外の工場に頼っている建築部門は連休明けからほぼ荷物がありません。人口密集地の建築現場は今後止まる可能性もあり、国内で入手可能な材料の出荷も滞りそうです。
今後、私たち重量物運搬チームは山間部で施工されている公共土木工事や災害復旧現場、緊急工事用の資材輸送がメインになりそうです」。
いっぽう、大型ウイング車に乗っている長距離ドライバーのひろしさんは、ふだんの「トラック暮らし」への影響を語ってくれた。
「トラック運転手は当然ながらテレワークは不可能です。他の会社の運転手と話したりしますが、全体的に物量が少なくなっているという話も聞きます。
幸い僕自身は仕事が減ることもないですし、ふだんと変わらぬ日常をおくっています。非常事態宣言が出てからは、個人的に荷物を県外に送る人が増えたのか、宅急便系の物量は増えていて、逆に忙しくなっています。
国が不要不急の外出を控えるよう宣言を出してからは高速道路の交通量は圧倒的に減っているので、特に渋滞にハマることもなく、運転はしやすい状況になっています。
■長距離ドライバーのお風呂事情
いっぽうで困ったのが長距離中の風呂です。
風呂は普段でも1航海3、4日とか入れない時も多々あるので常に問題ありですが、コロナ対策の一環でガソリンスタンドでの風呂やパーキングエリアのコインシャワーも閉鎖されている場所が増えています。
そもそも数が少ない風呂施設がさらに減れば、国のライフラインを支える長距離運転手の職場環境はさらに劣悪な状態になると思います。とはいえ感染リスクを考えたら風呂など閉鎖する判断が懸命なのでしょうけど、困ったもんです」。
これに対して、最新情報を伝えてくれたのが、輸出入の荷物をトレーラで運ぶドレージ屋のヒデさんだ。
「コロナの影響で確かにガソリンスタンドでのシャワーは一時使用不可となりましたが、4月28日現在は、ほとんどのところで再開してくれています。
規模が大きいスタンドでは、順番待ちをしなければならないことがありましたが、携帯電話等で呼び出すなど密を避けるような工夫をしたり、除菌スプレーの貸し出し等の配慮がされています。
高速道路のサービスエリアなどのシャワー(主に新東名)ですが、問題なく使用できます。
またサービスエリア等の飲食ですが、24時間営業だったフードコート等では短縮営業されているところが多いですが、併設コンビニは開いているのでそちらは問題なく使用できます。
ただそういった施設のあるところは人気がありますので、時間帯によって(夜は特に)は停められないことが多いです」。
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