荷物激減で苦しむトラックドライバーも!? 日本のライフラインを守れ!

■非常事態宣言の北米で働く女性ドライバーの証言

世界で最も新型コロナの感染が拡大しているアメリカを走るPUNKさんのトラック

 最後に、番外だがアメリカでトラックに乗っている日本人女性のPUNKさんの話もご紹介しよう。PUNKさんは一旦家を出たら1カ月以上家に戻らない長距離ドライバーだ。

「3月初めに家を出た頃は、人々はそれほど危機感を持っていませんでしたが、トランプ大統領が3月13日にアメリカ全土に国家非常事態宣言を出してから、一気に国全体が緊迫した空気になっていきました。

 その後の経過はニュース等でご存知の通りです。私も全米中に荷物を運ぶので、感染が拡大中の地域で泊まらなければならないなど、恐い思いもしました。

 忘れられないのは、配達先の受付のオフィスの人に厳しい視線で「Are you Chinese?」(あなた中国人?)って聞かれたことです。

 たとえ中国人だったとしたらなにが問題なのでしょうか。新型コロナのせいでアジア人に対する差別や偏見などが露骨にあらわれた感じで、複雑な思いがしました」。

 残念ながら、こういった差別と偏見の話は日本にもある。

 たとえば、愛媛県新居浜市の小学校では、東京や大阪など感染拡大地域を行き来する長距離トラックドライバーの親を持つ児童3人に対して登校しないよう要請し、この3人は入学式に出席できなかったという。

 また、トラックドライバーに対して「新型コロナを運ぶなよ!」といった罵詈雑言が浴びせられるケースも増えているそうだ。

 日本が心を一つにして新型コロナに立ち向かうべきときに、こんな心ない行為は論外だろう。いついかなる時も日本のライフラインを支えるトラックドライバーは、日本の縁の下の力持ちなのである。

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