レクサスは2005年から日本で販売展開するにあたり、IS、GS、SCをスターティング車種としてラインナップ。
現行ISは約8年販売された先代モデルの後を受けて、2013年5月にデビューした。先代ISからエクステリアデザインを大幅に一新し、新世代レクサスの象徴的存在となった。
2015年にレクサス初のターボ、2Lターボを搭載するIS200tの追加ほか、ラインナップの見直し、特別仕様車の設定などを積極的に展開したが、現在まで先代モデルのような販売実績を残せていない。
先代ISがレクサスの屋台骨を支える存在だったのに対し、現行ISは販売面で苦戦している。2020年に入ってからは、100台に満たない台数となっている。
2018年10月にデビューしたESが好調なことを見ると、単にセダン受難という言葉では片付けられない。
そのISがマイチェンを敢行するという。もちろん狙いは、起死回生の販売力アップだ。どのような変更が施されるのか、最新情報に迫る。
【画像ギャラリー】セダン受難時代で苦戦 マイナーチェンジで復活を期すレクサスISの7年間の軌跡
GSの消滅がマイチェンに大きく影響
現在のレクサスのラインナップを見ると、2013年デビューのISは、2011年デビューのCT、2012年デビューのGSに次ぐ古いモデルとなっている。
デビュー時には新世代レクサスの象徴となっていたが、その後に登場したモデルの進化は著しく、設計の古さは否めない。
レクサスはGSを2020年8月で生産中止することを正式に発表し、同時にファイナルエディションともいえるEternal Touringという特別仕様車を6月1日から発売開始する。現状では、GSは次期モデルは存在しないという。
ISがマイチェン、しかもかなりの規模のマイチェンになるという情報も出ているが、これはGS消滅と無関係ではない。
現在のレクサスの販売のメインは言うまでもなくSUVだ。2014年にNXを投入して勢いづいたレクサスは、SUVブームということもあり、UX、NX、RX、LXとSUVのラインナップを充実させている。
それに対しセダン系は、レクサスで唯一のFセダンであるESが販売面でも好調ながらLS、GS、ISは販売面で苦戦している。
先代、現行とも販売苦戦したGSがラインナップから消滅することになるが、販売サイドではGSとISはともにその俎上に上がっていて、最終的にどちらかと言えば台数が見込めるISが残ったと見ているようだ。
デビューから丸7年が経過したISがビッグマイチェンを行うというのは、『延命』のためであると考えられなくもないのだ。
ボディ大型化の可能性
ISのビッグマイチェンについてはいろいろな情報が出てきていて、注目すべきは、全長、全幅が変更され、大型化されるというものだ。
バンパー形状の変更でマイナーチェンジを機に全長が長るケースというのは珍しくないが、全幅まで広げるというのはあまり多くない。
現時点では販売会社にはマイチェンに関する具体的な情報は入っていないようなので、ボディサイズの変更については断定できないが、トヨタ&レクサスならば充分に考えられる。
というのは、レクサスではそのような大掛かりなマイチェンの前例がある。全長だけでなく全幅まで広げるというマイチェンは、先代LSで行われている。2012年にマイチェンを受けたLSは部品点数の約半数を変更したという。
全幅まで広げるレベルのマイチェンの場合、当然コストは膨大なものになる。販売面で苦戦しているISにそこまでお金をかけるのか? というのは疑問ではある。ブランドのフラッグシップであるLSとISでは置かれている立場はまったく違う。
しかし、フルモデルチェンジするよりも安上がり、という考え方もある。ビッグマイチェンをすることで、最低でも3年間はフレッシュな状態がキープできる。
もうひとつ、前述のとおりGSの消滅により、レクサスはメルセデスベンツEクラス、BMW5シリーズに対抗する駒を失った。本来ISはメルセデスベンツCクラス、BMW3シリーズの対抗馬だが、GSのユーザーを取り込むためには大型化も必要になってくる。
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