例えばR34型スカイラインは200万円程度から買えた。いっぽう同時期のE46型BMW3シリーズの価格は300万円後半から。
ところが、現行型スカイライン200GT-tは約413万円、現行型BMW3シリーズには約400万円のグレードが設定されている。
カテゴリーやクラスによっては「輸入車と国産車の価格は大差ない」時代の今、コストパフォーマンスでは日本車と欧州車どちらが勝っているのか!?
文:渡辺陽一郎
写真:編集部、VW、Daimler、TOYOTA
『安い価格帯』では日本車優勢!!
輸入車と日本車の割安感を比べると、全般的には日本車のほうが安い。
輸入車の価格には高額の輸送コストが加わり、販売台数も少ないから日本車のようなコスト低減は難しいためだ。販売会社や輸入業務を行う日本法人の粗利も多く含まれているのも価格が高くなる要因となっている。
ただし、輸入車はモデル末期には本国から販売報奨金が支給されて値引きを増やす。450万円前後の輸入車を100万円以上の値引きで売ることもある。しかし、ここでは車両価格で欧州車と日本車を比べてみたい。
安い価格帯では日本車が買い得だ。特にコンパクトカーは国産のライバル同士での価格競争が激しく、輸入車は対抗できない。
VW up!は、居住性、走行性能、装備など、さまざまな機能で同じ価格帯のデミオに見劣りする。
アウディA1とインプレッサスポーツの比較でも同様だ。内装の質はA1も相応に高いが、走行性能や居住性はインプレッサスポーツが勝る。
『高くなればなるほど』輸入車優勢に
逆に高価格帯では輸入車が優位。日本車は価格競争が薄れ、売れゆきも下がり、コスト低減を図りにくくなって割高な車種が増えるからだ。
特にレクサスは、日本車なのに機能や装備のわりに高価格で、欧州車のプレミアムブランド並みに高い。レクサスLSのハイブリッドとなる600hは、エンジンがV8・5Lで4WDも備わるとあって価格は1081万1000円だ。緊急自動ブレーキは108万円のオプションになる。
これに比べてメルセデスベンツS300hは、4気筒2.2Lながらクリーンディーゼルのハイブリッドで、最大トルクは51kgmを確保。燃費も抜群に優れ、先進的な緊急自動ブレーキなども装備して998万円だ。
また、スカイラインの2Lターボは基本的にはメルセデスベンツ製のエンジンだが、デザインから操舵感までベンツCクラスのほうが上質に造り込んでいる。
ベンツG550は設計の古い悪路向けのSUVだが、昔は用意しなかった高出力エンジンを搭載して安定性のバランスが悪い。価格は割高だ。
つまり、メルセデスベンツにも推奨できない車種はあるが、セダンは上手に造り込んで価格も割安に抑えている。
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