ボルボ 2022年「レベル4」自動運転開始! 驚きの新技術とは? 国内の動向は??

 世界的なコロナ禍で、やや熱気を失ったようにみえる自動運転の世界。日本初のレベル3車両として夏に登場予定だったホンダ・レジェンドも「年内になんとか(八郷社長)」とトーンダウンしてしまい、リース販売に限定するという説まで登場している。

 そんななか、ひさびさにワクワクする話題が飛び込んできた。

「安全の巨人ボルボ」が「2022年に、一定条件下の高速道路で完全自動運転が可能な新型車を発売する」とアナウンスしたのだ。

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※本稿は2020年6月のものです
文:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年7月10日号


■一足飛びに「レベル4」へ!! 飛躍するボルボの戦略

 筆者が胸躍らせるには理由がある。ボルボはかねてから「クルマとドライバーのテイクオーバー(引継ぎ)が複雑なレベル3をスキップし、直接レベル4を目指す」とアナウンスしてきた。

 つまり今回の発表は、世界初のレベル4対応車両の市販予告というわけだ。

ボルボは全モデル180km/hリミッター装着も完了させている。EV時代を見越したものという説も……

 発表によればボルボは2022年に、2014年以来90系や60系に使ってきた大型車向けプラットフォームSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)を第2世代に進化させる、としており、完全自動運転はこの新世代モデルで実現するという。

 モデルチェンジのタイミングから考えると、2014年に発表された現行XC90の次期モデルこそが第1号車だと、筆者は予想する。

■自動運転の未来を担う5万円のLiDAR

 完全自動運転の実現にあたり、ボルボはアメリカのLiDAR開発ベンチャー「ルミナー」との提携も発表した。

 ルミナー社は、これまで数十万~数百万円が相場だったLiDARの価格破壊に成功した立役者で、同社がボルボに提供する「アイリス」という最新モデルは、1台の価格がたったの500ドル(約5万円)と言われているのだ。

プロトタイプ車両のルーフ前端部にビルトインされたルミナー製LiDAR。安くても性能は高い

 安かろう悪かろうではない。一般的なLiDARはレーザー光に905nmという波長を使っているが、この波長は人間の網膜を傷つけるため、出力を上げることができない。

 ルミナー社はインジウムガリウムヒ素という素材を使うことで網膜に優しい1550nmという波長の使用を可能にし、結果、出力アップに成功した。

 その性能は光の95%を吸収するきわめて暗い物質を250m先から見分けられるという高性能っぷりなのだ。

高速道路上でのLiDARのスキャン画像。走査範囲は水平120°×垂直30°。サイバーな雰囲気

 レベル4自動運転には制度面が追いついていないため、当初はレベル3でのスタートとなるかもしれないが、ボルボは無線通信によるアップデートを実現するという。こいつは期待したい!

■日本の商用自動運転は2025年に幕開け!

 前項はボルボのレベル4の話題だったが、お次はビジネス分野のレベル4のお話。

 自動車メーカーや有識者も参加して、国が「自動走行ビジネス検討会」という集まりを開いているのだが、同会がレベル4自動運転を商用化するためのロードマップ(行程表)を発表した。

 結論から言うと、日本では2025年を契機に、さまざまな場所でのレベル4(システムが運転主体となる領域限定の自動運転)のサービスが始まる。

 具体的に、どんな場所でどんなサービスが行われるのかをまとめたのが下の表だ。

無人自動運転サービスで想定される5つのステージ

 想定される場所は、工場や空港の敷地内、廃線跡、高速道路、さらには地方の生活道路など。

 それぞれ使われる車両が決まっていて、たとえば空港敷地内では乗客輸送用のバス、高速道路では物流トラック、生活道路では電動カートやタクシーといった具合だ。

トヨタの「e-Palette(東京2020仕様)」。オリンピック後、そこかしこで見られることになる!!? このほか秋田県上小阿仁村では自動運転カートの有償サービスが始まっているケースも

 乗用車のレベル4と違うのは、遠隔監視で行われるサービスが主体になること。商用サービスは運行ルートが限られることも多く、コスト的な問題もあってこの仕組みが多く選ばれるのだろう。

「移動の大変革」まであと5年だ。

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