パジェロの名に恥じない実力持つパジェロスポーツ
SUVの代名詞的な存在だったパジェロの血を引くタフなアウトドアギアが、タイの三菱ラムチャバン工場で生産されているのである。それが「パジェロスポーツ」だ。
日本では発売されなかった海外専用モデルで、パジェロを名乗っているが、ベースとなっているのはピックアップトラックのトライトンである。日本のファンには21世紀の「チャレンジャー」といったほうがわかりやすいかもしれない。
チャレンジャーをベースにした初代パジェロスポーツは1996年に登場。2008年には2代目がベールを脱ぎ、2015年8月には3代目にバトンを託している。
ミッドサイズのSUVとして高い基本性能を持つパジェロスポーツの3代目は、モデル末期であるにも関わらず18年にグローバルで7万7000台を発売した。走りの実力もパジェロの名に恥じない。
以前、この3代目パジェロスポーツにオフロードコースで試乗したことがある。その印象を最初に述べると、日本で発売すれば売れるだろう、と確信するくらい実力は高かった。
シャシーは強靭なフレーム構造だ。主役の4WDモデルは2.4Lの直列4気筒クリーンディーゼルターボを組み合わせている。
また、2WDには3LのV型6気筒ガソリンエンジンも用意されていた。4WDシステムは、ハイ/ローの副変速機を備えた最新のスーパーセレクト4WDII(電動式アクチュエーターとセンターデフを持つフルタイム4WD)だ。
軽やかにスイングするサスペンションは、優れた接地フィールを披露し、クルマそのものの剛性も驚くほど高い。サスペンションがしなやかに動くから乗り心地もよかった。
岩場が続く登りとモーグルステージでは、卓越したトラクション性能を見せつけている。クリーンディーゼルも実用域のトルクが太いから低速のオフロードコースでも扱いやすい。
2019年に刷新! パジェロスポーツは日本待望の本格派SUV
その最新モデルは2019年7月にタイで発表された4代目だ。エクステリアはダイナミックシールドと呼ぶ精悍なフロントマスクのアウトランダーと似ている。
背の高さを意識させない伸びやかなフォルムで、メッキパーツもよく似合う。インテリアも洗練されたデザインで、乗用車感覚だ。
デジタルとアナログを上手に組み合わせた8インチの液晶メーターや8インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオなどを採用し、コンソール部には150WのAC電源とUSB端子も装備する。
パジェロスポーツは3列配置の7人乗りが主役だ。3列目はそれなりの広さだが、2列目までなら広く快適だろう。ラゲッジルームも満足できる広さを確保した。便利機構も多い。
エレクトリックテールゲートはスマートフォンで施錠できるなど、Bluetoothによって車両とスマートフォンを連携させている。もちろん先進安全装備は抜かりなく、新たにレーンチェンジアシストと後退時車両検知警報システムが新たに加えられた。
気になるパワートレインは、進化させた2.4Lの直列4気筒DOHCディーゼルターボだ。トランスミッションは、アイシン製の電子制御8速ATを組み合わせている。
4WDシステムは信頼性が高く、走破性能も非凡な進化版のスーパーセレクト4WDIIを搭載する。素性のいい本格派4WDだから日本でも待ち望んでいるファンは多いはず。
軟弱なクロスオーバーカーが増えている今だからこそ、パジェロの名を冠したスーパースターの登場を期待したい。三菱さん、日本での発売を真剣に検討してください。ファンは待っています。
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