乗り心地は電子制御を駆使するゴルフRの勝ち
そして、乗り心地。これはダンパーの減衰力や電動パワステの特性をコントロールするアダプティブシャシーコントロール“DCC”を装備するゴルフRが圧倒的にいい。
STIのダンパーは電子制御を持たないので、ゴルフRの一番ハードなレースモードと比較しても、STIには細かなピッチングが多い。これも旧型よりはるかに改善されているがまだまだだ。
今回STIにはモノブロック構造のブレンボ製のキャリパーとドリルドローターが採用された。モノブロック構造と6ポットの採用は、バネ下荷重を増加させるので、特にフロントの応答性にも影響する。
しかし、ネガティブな面はほとんど感じさせず、逆にブレーキコントロール性と剛性感がアップ。特に踏み始めの減速Gの立ち上がりが穏やかで踏み込むほどに効きが増す。
つまり、踏力に素直にリニアに効く。だからコントロール性がよく、ストロークも短く強く踏み込んだ時の剛性もしっかりとしている。
対するゴルフRはペダルストロークが大きく、初期制動の立ち上がりが速い。剛性感も少し落ちる。ゴルフRのブレーキは、高速からのフルブレーキングなどON/OFF的使い方で威力を発揮。
僅差ながらゴルフRの成熟度に軍配
個人的には、パワーフィールの気持ちよさと、キャビンの静粛性。カリスマを追い求めるSTIに対して、僅差だがその道を通り過ぎて成熟した感のあるゴルフRの勝ちとしたい。
シビックタイプRも採用しているように、もはやスポーツモデルには電子制御可変ダンパーが不可欠の時代なのだ。
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