■しっかりとしたシャシー性能
足回りはどうか? 新型車を試す時の基準が2つあります。コーナリング中に大きなギャップを通過し、サスペンションが「ぐわしっ!」と底付きしてバンプラバーに当たった時の挙動と、高速コーナーのバランス。いずれも安心や安全を考えると最低限必要な”奥行き”だと思う。キックスで試してみたら、さすが日産。しっかり対応できている。このあたり、タイ製であってもまったく不安なし! むしろよい仕上がりです。
おそらく基本設計が道の悪い新興国を想定しているんだと思う。確かにタイやブラジルといった新興国で新車を買うようなお金持ちはガンガン飛ばすし、そのいっぽうで道路状況悪い。厳しい道で鍛えられているのだろう。日本で出会うような「悪条件」などヘソでお茶を沸かすようなモンかもしれません。ハーシュネスや路面の継ぎ目の通過時に代表される乗り心地の質感こそ平均的なBセグながら、奥ゆきあると思う。
最後にバイヤーズガイドを。キックスはハイブリッドだけしか設定されていないため、比較対象をヤリスクロスとヴェゼルもハイブリッドとする。まずヴェゼルだけれど、絶対的なパワーで届かないことを除けば、街中のドライバビリティでキックス圧勝! とにかく素直で乗りやすい。さらに自動ブレーキ性能は2ランクくらい違う。ヤリスクロスに対する優位点を挙げるとリアシートです。自動ブレーキ性能はヤリスクロス優位。実用燃費で負け。
ここまで読んで「キックスいいね!」と思ったことだろう。私の期待値を上回りました。ただ絶対的な価格が厳しい。今回試乗したツートンインテリア仕様を選ぶと286万9900円。ボディカラーも5万5000円のオプション。ナビ30万円! 総支払い額で350万円コースか。
すでに1万台以上の受注となっているというが、皆さんお金持ち。さらに台数を上乗せしたいなら、200万円の1500ccなど追加したらいかがか。
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