もしもの時に備えて用意したい「ほぼ紙トイレ」の優れた実力

もしもの時に備えて用意したい「ほぼ紙トイレ」の優れた実力

 

普段、あたり前のように使えているトイレが、突然使えなくなったら……? これ、災害時には充分考えられる状況です。地震や津波で上下水道が破壊されれば自宅の水洗トイレは役に立たず、公共のトイレなども封鎖されてしまうことがあります。
そのうち仮設トイレが来るだろうって? そんな皆さまに思い出してほしいのが東日本大震災。2011年3月11日に起きたあの災害で、仮設トイレが避難所に行き渡るのに要した日数を調べると、8日以上かかった自治体が49%。最も日数のかかった自治体は65日というところもありました。被災者の皆さんのその間のご苦労は、まさに筆舌に尽くしがたいものがあります。
そこで紹介したいのが廃棄物収納容器や防護服を設計する建築設計事務所「カワハラ技研」の考案した備蓄型仮設トイレ「ほぼ紙トイレ」。先日試作品を完成させたばかりというが、その気になる中身を、コメントを交えて紹介いたします。
文:ベストカー編集部 写真:カワハラ技研
ベストカー2017年10月26日号「アポなし電話調査」より

 

 


 

■設置後1カ月の耐久性を出すために「ほぼ」


Q(編集部、以下同).「ほぼ紙トイレ」という名前、なんで「ほぼ」なんですか?

A(カワハラ技研担当者、以下同).軽量なことと組み立てやすさ、廃棄のしやすさを考慮して、素材のほとんどを「紙」で作った仮設トイレなんですけども、初期は2週間の使用を想定して、下の便槽まですべて紙で作っていたんですね。しかし、道路などが復旧しても被災地が広く被害者や避難者が多いと対処の手が回らないこともあるんです。そこで、たとえ(下水管理&処理の担当者が)1カ月来てくれなくても耐えられるようにと、便槽を樹脂にしました。なので「ほぼ」です。

Q.備蓄型と言っていますが、これは被災した人たちの手で組み立てるものなのですか? 簡単なんでしょうか?

A.災害直後などは避難所でもなかなか公的なサポートは望めませんから。また東日本大震災の時、避難所に配送されてきたトイレが、説明書がなくて組み立て方がわからず、放置されていたという話がありますので、工具などを使わずに女性や子供でも組み立てられるようにしています。

■トイレに大事な「明るさ」も確保


Q,ほかに特徴はありますか?

A.紙でできていますが耐候性があるので、屋外に設置できます。体育館などに避難した時、そばにトイレがあるのは不衛生で、熊本地震の時にはノロウィルスが発生したという話もあるんです。あとは個室の洋式トイレでLED灯も装備しています。

Q.トイレが明るいのは嬉しいですね。

A.防犯対策としても重要なんです。あまり報道されませんが、被災地や避難所では痴漢やのぞき、窃盗などの犯罪が発生しているんですよ。

これが「畳まれた状態」
こっちが完成した状態。突発的なイベントなどにも役立ちそうだし、海外で大きな災害があったときもこれをドカッと送ったらめちゃめちゃ喜ばれそう

Q.この「ほぼ紙トイレ」、どのようなところに備蓄してほしいですか?

A.避難所に指定される学校とか、あとは超高層マンションやオフィス。大型ショッピングモールとかですね。価格も10万円以内に抑えたいと思っています。

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というわけで災害時の強い味方となってくれそうな仮設トイレを紹介しました。日本は地震大国。トイレの備えは間違いなく重要です。全国の自治体(特に防災関係部署)の皆さま、ぜひとも問い合わせのご用意をお願いいたします。

カワハラ技研 公式サイト http://www.kawahara-giken.com/

【備蓄仮説トイレ「ほぼ紙トイレ」設置動画】