10月8日にマツダから「ミドルクラスでは小さめ」のボディサイズとなる、スペシャリティなクロスオーバーであるMX-30が発売された。
MX-30はパワートレーンこそ2Lガソリンに超小型モーターを組み合わせたマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV G)のみでのスタートとなったが、2019年に同社から登場したCX-30とボディサイズはほぼ同じ、クルマの土台となるプラットホームも共通と、非常に近いモデルにも見える。
こうした背景もあり、本稿では「CX-30と棲み分けできるのか?」というテーマのもと、さっそくMX-30に試乗した印象も含めて考察してみたい。
文/永田恵一、写真/MAZDA
【画像ギャラリー】今秋発表されたスペシャリティクロスオーバーマツダ MX-30! CX-30との棲み分けはできるのか?
■CX-30は手頃なサイズのクロスオーバーSUVとして人気堅調
CX-30はマツダ3から採用が始まったマツダ新世代のFFプラットホームを活用、「クーペルックのスタイルなどスペシャリティな雰囲気を持つ、ミドルクラスでは小さめのクロスオーバー寄りSUV」として2019年9月に登場した。
パワートレーンは、2Lガソリン、1.8Lディーゼルターボ、ガソリン燃料を使いガソリンエンジンとディーゼルエンジンの長所を融合した2L「SKYACTIV-X」の3つで、トランスミッションは6速ATを中心に、2LガソリンとSKYACTIV-Xには6速MTも設定される。
CX-30は乗ってみると「2Lガソリンは強い特徴なし、1.8Lディーゼルターボは実用域では力強いけれど追い越し加速時などの速さに欠ける、SKYACTIV-Xは可能性を感じるものの約330万円からという価格の割に得られるものは多くなく、全体的には普通」という印象だ。
しかし、CX-30はエクステリアや質感の高いインテリアが好みに合えばそれだけでも魅力的なのも事実で、2020年1~9月までの販売台数は2万2426台(=月平均約2500台)と、新型コロナ禍の中でも登場当初の月間販売目標台数をクリア、堅調に売れている。なお、価格は239万2500円からだ。
■CX-30と共通点多い新型MX-30の立ち位置は?
MX-30はCX-30をベースにした、よりスペシャリティかつ個性的なクロスオーバーである。
CX-30と大きく違うのがエクステリアとインテリアだ。
エクステリアは、ボディ後方のDピラーの傾斜をより大きくしたクーペルックを進め、キャビンも小さく見える。それでもリアシートへの乗降性を確保する意味も含めて、現状では世界最後のロータリーエンジン搭載車となる同社のRX-8以来となるフリースタイルドアと呼ばれる観音開きのドアを採用。
インテリアもダッシュボードとセンターコンソールを切り離したフローティングコンソールやソファのような形状と座り心地を持つリアシート、コンソールトレイとドアグリップに採用したコルクを使ったパネルを採用。
ほかにもシート地も衣類のツイードを思わせるファブリックと人工皮革を設定するなど、居心地のいい雰囲気を持つ。
パワートレーンは、前述したように現状では2Lガソリンエンジン+マイルドハイブリッドに6速ATのみの組み合わせだが、すでに欧州では東京モーターショー2019出展の電気自動車が発売されており、日本でも2021年1月に発売予定だ。
さらに、技術発表されているロータリーエンジンを発電機に使ったレンジエクステンダーも、2022年前半に市場投入されることが発表されている。
なおMX-30はワングレードでパッケージオプションを加えて自分好みの仕様を造っていくという形で、ベース価格はFF車=242万円、4WD=265万6500円である。
もちろんパッケージオプション次第で価格は変わるのだが、それでもMX-30がCX-30に対しニッチなモデルとなるのを考えると、CX-30に対し20万円は高い価格が予想されていたこともあり、MX-30の価格がCX-30とそう変わらない点は意外だった。
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