トップ独白!! 三菱はどこへ向かう?? PHEVとSUV、コンパクトカーとEV戦略を深堀り調査!!


■EVはアライアンスで共同開発! バッテリー問題は課題あり

 加藤CEOによると、EVに関してはいまだにバッテリーというものが高額で、全世界の自動車会社のなかで本当に利益が出ている会社というのはほとんどないという。テスラが利益が多少出ているかな……という状態で、そういう意味では、大きな利益の望めないEV開発を単独でやることは現実的ではないと考えているそうだ。

2021年に発表が予想される日産と共同開発している軽EV(画像はベストカーによる予想CG)。最新技術てんこ盛りの一台となりそうだ

 そのため日産と共同開発して軽EVを今度投入するのだが、当面は日産もしくはアライアンスを活用して開発していくことのほうが現実的であるとしている。

 またEVにおいて欠かすことのできない重要な部品である電池については、思った以上に難しい課題を抱えていることを長岡Co-COOが明かした。

「バッテリーの進化についてはリチウムイオン電池から全個体電池に移っていくことで、安全性やコストが大きく下がりEVが普及していくだろうというのが数年前の見立てでした」

「その時に言われていたのが、2020年過ぎくらいには全個体電池が実用化されて、kWhあたり100ドルを切って一気に加速するだろうということです。ところが、自動車を動かすことのできる全個体電池の開発は計画通りには進んでいないのが現実です。今後5年では足りないのでは? と三菱自動車では見ています。2030年頃まで行けば、一部で全個体電池が実用化されるとは思います……」

 そのためリチウムイオン電池を高性能化する研究もされているが、もともと中国でやっていたリン酸鉄を使用した電池についても回帰する動きがあるという。パワーは足りないが、安全性が高いので、そういう電池で全個体電池が実用化されるまでしのごうという動きがあるそうだ。

長岡Co-COO「ライフサイクルバランスのことを考えると、発電や電池を作ったり、クルマを作ったりするときに発生する二酸化炭素の量を考慮した場合、化石燃料で発電している国ではPHEVのほうがEVよりもはるかには出量が少なくなる。そうことによって、三菱としてはPHEVは重要な技術であると認識し、より高めていくことを考えています」

■販売店からも要望の強い ラインナップの拡充を実施

 三菱自動車のSUVラインナップには、「RVR」「エクリプスクロス」「アウトランダー」があるが、車格としては違うものの、同じような毛色のクルマが3つあって、それ以外の売りやすいクルマがない。

 就任後、各地のディーラーに話を聞きに回った加藤CEOは、近いモデルが多く売り方に困るとディーラーに苦言を呈されたという。そのため車種の拡充を計画しているという。

「SUVタイプ以外のボディタイプもこれから開発していくのかと言えばそうではありません。SUVを中心にそのラインナップを充実させることがメインに考えています。なので、セダンタイプを追加するということは正直計画はありません」

 さまざまなタイプのSUVを拡充すること以外にも、販売好調の「デリカD:5」、日産と協業している軽自動車に関しても、三菱らしいことができないかいろいろ検討しているという。

 リコール隠しや燃費不正問題といった問題があった三菱自動車ではあるが、それらを真摯に反省し、次代に向けて新たな戦略を進めているようだ。

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