■ホームページに応募するためのフォームがある!
だが、外部の人をずっとウーブン・シティに入れないと決めているわけではない。最先端技術と生活を融合させ、どんな社会づくりが可能かということを探求するには、「ファミリー世帯や高齢者世帯など、さまざまな形態の生活のそばに発明者がいることが大事」と、前出のトヨタ関係者は言う。
実は、その“発明者”になることが、外部の人間がウーブン・シティに住むための手っ取り早い手段である。
2020年1月にウーブン・シティ構想を発表したさい、トヨタはウーブン・シティをより素晴らしいものにするための技術や生活を向上させるためのシステムづくり、ビジネス創出などに関するアイデアを持っている人を募ると表明。
ウーブン・シティのホームページには、実際に応募するためのフォームも用意されている。
果たして実際にどのくらいの応募があったのか。トヨタによれば、構想発表から今年3月初頭までの1年余りで3000件超。日本国内だけでなく、世界からアイデアが寄せられたという。すでに提案者とのコンタクトも始まっているようだ。
「ホームページのメニューを見ればおわかりいただけると思いますが、アイデアの分野は教育、農業、ヘルスケア、各種サービスなどなど、さまざまです。人が生きていくための街ですから、対象は生活に関わることすべて。平たく言えば、何でもありなんです」。(トヨタ関係者)
ウーブン・シティでビジネスをやることがシティ内に居住することと直結するか否かについては、これまた決まっていないという。が、発明者と生活者が隣り合うというコンセプトにかんがみると、ビジネスパーソンもまたシティの住人となる可能性は充分にあるとみていいだろう。
■アイデアを提案することで未来都市に住めるかも!
問題は競争率。現時点で3000件以上ものアイデアが寄せられているとあれば、今から参戦してもすでに出遅れてお話にならないのではないか。
「そんなことはありません。応募は今も行っていますし、特に締切の期日を設けているわけでもありません。何しろまったく新しい試みなので、トライアンドエラーが続くと思います。
ウーブン・シティはこういう街なのだと早い段階で固定するのではなく、多くの方々にトライの機会をご提供できればと考えています」(トヨタ関係者)
もちろんアイデアといっても無限ではない。同じようなアイデアだったら先に出したほうに早くチャンスが巡ってくる。が、やってみてうまく行かなかったとしても、ほかの人がそれについて「もっとこうすればいいと思う」と発展的なアイデアを提供することもできる。
自分の持っているアイデアを「こんなのはもう誰かが提案しているかも」などと見切らず、とにかく積極的に出してみることが重要だ。
ウーブン・シティへのパスポートはお金では買えない。要求されるのは人間の持っている創造性なのだ。
コメント
コメントの使い方