2020年にアメリカのラスベガスで開催された「CES 2020」で豊田章男社長が発表した実験都市「Woven City(ウーブン・シティ)」。その建設予定地であるトヨタ自動車東日本の東富士工場跡地で2月23日に地鎮祭が行われ、これから本格的な建設工事が開始される予定。
今後は建設が進むとともに、このウーブン・シティの注目度はよりいっそう高まりそうだ。そこで、気になるのが「このウーブン・シティに自分も住むことはできるの?」ということではないだろうか。
トヨタとは関係のない一般の人でもこの未来都市に住む方法はあるのか? トヨタに話を聞いたところ……。
文/井元康一郎、写真/トヨタ
【画像ギャラリー】ウーブン・シティ建設工事開始!! トヨタが考えるヒトとクルマの未来とは!?
■自動運転車が走り、再生可能エネルギーを導入した超先進都市
2月23日、トヨタ自動車の実験都市「ウーブン・シティ」建設の地鎮祭が行われた。
敷地は富士山を望む静岡県の裾野で、高級車「センチュリー」などを生産してきたトヨタ自動車東日本(旧・関東自動車工業)・東富士工場の跡地71万平方メートルである。
このウーブン・シティでは、道路は「人」「クルマ」「モノ」の流れを分離し、お互いに阻害し合わないような交通システムを構築。モビリティは自動運転で、カーシェアリングがベースとなる見通しだ。
モビリティ以外のライフスタイルも未来形。21世紀における人類の最大の課題といわれるのはエネルギーと水だが、まずエネルギーは再生可能エネルギーを大規模導入。水素備蓄と燃料電池による発電で電力を安定供給させる計画。また、水は雨をろ過して蓄え、水系や生態系への影響を最小化する。
シティのオペレーションにはAI(人工知能)を活用し、エネルギーや交通の流れはもちろん、住民の健康管理や住民同士の交流の支援など、パーソナルライフのクオリティ向上にもトライするという。
これらが実現すれば、まさに超先進都市。「そんな最先端の街なら自分も住んでみたい」と思う人も少なからずいるだろう。
■初期段階はトヨタ従業員やプロジェクト関係者が居住
が、ここで疑問が起こる。トヨタはプロジェクトの初期段階においてはトヨタの従業員やプロジェクト関係者など、2000人程度の居住を目指すとしているが、果たして一般人がこのウーブン・シティに引っ越すことはできるのだろうか?
「ウーブン・シティはエンドレスでの実証実験都市で、ゴールをもともと設定していません。現時点で明確に決まっているのは『人間中心の街』ということだけで、居住地を分譲にするのか賃貸にするのかといったことも含めて対外的に公表できるようなものはまだ何もないのです」。
トヨタ自動車関係者は現状をこのように語る。
実際、ウーブン・シティはおおまかな構想やデザインこそ公表されているものの、建設は始まったばかり。
今後の発展性についても、いろいろな構想がうまくいくかどうかはやってみて初めてわかるというもの。とりあえずのスタートをトヨタの従業員やプロジェクト関係者で固めるというのもやむなしといったところだろう。
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