■ヴァンテージの007仕様は、専用グリルのほか、なんとスキーキャリアを装備!
福崎さん(仮名)のもとへ同時に納車された二台のスペシャルなアストンマーティンとは一体どんな仕様なのか。
まずは一台目の「ヴァンテージ007エディション」。これはティモシー・ダルトンが初ボンド役として登場したシリーズ第15作「リビング・デイ・ライツ」に登場したV8をモチーフに最新モデルであるヴァンテージを特別に仕立てたモデル。
カンバーランドグレイの外装色に噴射ロケットのハザードイエローを模したアンダーパーツのデコレーションや、何より劇中で使われたスキーアウトリガーからインスピレーションを受けた特別なスキー板&ラックを背負った姿に注目が集まるけれど、筆者が実物を見て感動したのはフロントグリルだ。
クロームのヴェゼルを大胆にまとった専用のメッシュグリルに換装されている。これはヴァンテージオーナーであれば今すぐ欲しいパーツではなかろうか。
インテリアも007マニア心を刺激する。ブラックとダーククロームのコーディネートもさることながら、センターコンソール内にレーザー刻印されたボンドカーの秘密兵器操作パネル模様が面白い。そのほか、映画にまつわる痕跡を色々と探してみるのも一興だろう。
このモデルは世界100台限定で3ペダルMTもしくは2ペダルATが選べたが、福崎さんは3ペダルを選んだ。これは大正解で、なんとヴァンテージの3ペダルはこれにてオーダー打ち止めらしい。
ちなみにオーナーのお気に入りはスキー板を積んだ姿で、夏でもこのまま乗るらしい。この姿こそがあそび心の象徴で、いつまでも童心を忘れたくないと笑顔で福崎さんは語っていた。そのうち貴方もスキー板を背負ったヴァンテージをどこかで目撃するかもしれない。
■DBSの007版に至っては、なんと世界限定25台の激レア車だ
もう一台は最新作にも登場するブランドフラッグシップの「DBSスーパーレッジェーラ007エディション」だ。こちらはさらに貴重で全世界限定わずかに25台。ということはつまり、この二台を揃えてコレクションできる人は多くても世界で25人しかいないということ。
全員が二台とも買っているとは限らないので、セットコレクションは一層貴重だろう。ちなみに日本では福崎さんただひとり。
もっともDBSのほうが見た目にはおとなしい。スキー板のような派手な演出はない。一見、ノーマルにも見える。特別なボディカラーであるセラミックグレイにカーボンパーツ、専用の21インチホイールや007のロゴプレートといった違いをマニアなら発見することだろう。
インテリアにおいても007のロゴが奢られている程度である。オーナー曰く、近場の会員制リゾートホテルなど気分転換のドライブに気軽に使えそう、だとか。
こちらにもニュースがあって、どうやらDBSからスーパーレッジェーラというサブネームがなくなるらしい。
「華美になりすぎない唯一無二の絶妙な世界観がアストンマーティンの魅力」だと言う福崎さん。「どんな状況下においても決して諦めず運さえ味方につける佇まいそのものにダンディズムを感じる」とジェームズ・ボンドへの憧れも隠さないけれども、だからと言って彼は生粋の007マニアでもなさそうだ。
英国では我々が想像する以上に熱心な007マニアがいらっしゃる。彼らからしてみればこの特別な007エディションを二台揃えてコレクションする日本の福崎さんはおそらく羨望の的であるに違いない。
ちなみに仮名の“福崎”は、今回初めて007シリーズのメガホンを取った日系人監督のキャリー・ジョージ・フクザキ氏から拝借した。悪しからず。
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