なんとFRにもなるM xDrive
4WD仕様に搭載される「M xDrive」は、インテリジェント4輪駆動システム「BMW xDrive」と「アクティブMディファレンシャル」をベースに、Mモデル専用に開発された制御システム「ドライビング・ダイナミクス・コントロール」によって制御されるもの。このシステムには、日常走行からサーキット走行までを考慮したチューニングが施されている。
基本となるのは、Mモデルらしい俊敏な走りを実現する「DSCオン・4WDモード」だが、Mダイナミックモードを選択する4WDの駆動配分の後輪側を増加させ、リアホイールのスリップ容量を拡大させ、より多様なハンドリングが可能となるという。
さらにMらしい隠し味を備えるのが、DSCオフのモードだ。「4WDモード」と「4WDスポーツモード」という4WD主体のコントロールの自由度が増すセッティングを基本とするが、熟練したドライバー向けの「2WDモード」を用意。
このモードでは、クルマの挙動を制限する制御システムがすべてオフになり、クルマを操る楽しさがダイレクトに感じられるという。なんともMモデルらしい演出だが、最新の四駆と電子制御のメリットを捨てて得られる走りの快感だけに、使用は慎重に願いたいとも思ってしまう機能だ。
4WD専用車となるM4カブリオレ
新たなM4の仲間に加わった「M4カブリオレ コンペティション M xDrive」は、Mらしい迫力のデザインをクーペ仕様から受け継ぎながら、ソフトトップを組み合わせることで優雅なスタイルを実現。しかし、その中身は、M3やM4と同様のMチューニングが施されている、かっ飛びオープンカーだ。
M4クーペのようにハードな「トラックパッケージ」は非設定となるが、クーペ同様に、ハードなサーキット走行を受け止める「6ポッドMコンパウンドブレーキ」を標準化。さらにオプションでMカーボンセラミックブレーキやMカーボンバケットシートの選択も可能となる。
最新のMモデル同様に、先進の安全運転支援機能も備えており、日常からサーキットまで幅広いシーンで活躍できるオールマイティなMのひとつだ。
実はお得なM xDrive仕様
4WDモデルが追加されたM3セダンとM4クーペだが、先行導入されたFR仕様も継続して設定されている。ただ驚くべきことに、同じ仕様のFRと4WDの価格差は、なんと30万円。4WDの走行安定性とMモデルらしい後輪主体となる駆動配分、さらに熟練ドライバー向けのFRモードの設定などを考慮すると、M xDriveが魅力的に映る人も多いはずだ。
ストイックにFRにこだわるのもありだが、可能性を広げるMチューンの4WDも面白そう。ただ、ハイパワーを6MTで操る醍醐味は、FRのM4クーペ標準車だけのお楽しみとなることに変わりはない。
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