公道でのヒヤリ体験を想定したレッスン
当日は、初心者組と熟練ドライバー組のふたつに分かれ、コースを入れ替えることで午前と午後の1日コースのレッスンを行った。筆者も、かなり昔に教習所を卒業しているが、今回は、初心者組の仲間に入れてもらった。
レッスン内容は、講習内容を理解するための座学と走行体験の大きく二つに分かれる。講師には、レーシングドライバーであり、ドライビングレッスンの講師としても定評のある東風谷高史さんと木下みつひろさんのふたりが参加。いずれかのプロが終日、二つの組を交代で受け持つ。今回は、初心者講習のメンバーは、私を含めて3人なので、かなり贅沢なレッスンである。この日のクラスメイトは、18歳で今夏に免許を取得したばかりのAくんと運転歴1年ちょっとの21歳のBさんのふたりだ。
座学では、当日の練習内容とその理由を解説。ただ初心者のふたりに、少しでも運転に慣れてもらうために、練習時間を長めにセッティングされていた。まずは、基本となるドライビングポジションの学習。それぞれのドライバーのポジションを確認しながら、同時に最適なシートポジションの意味も説明された。私自身も最適と思っていたポジションからアドバイスを受け、再調整したが、より運転がし易くなった。
急制動からコース走行まで!
レッスンの内容は、初心者向けと言いながらも、かなり充実。ウエット路面によるフルブレーキと危険回避。そして、ミニサーキットを使ったスムーズな運転。最後の仕上げ!?として定常円旋回までを行った。
フルブレーキ体験は、まずペダルをしっかりと踏むことを練習。運転に慣れた人でも、急制動ではブレーキペダルを踏み切れていないことは多い。初心者のふたりも最初は、ブレーキを踏み込めていなかったが、次第に、安定したブレーキ操作ができるように……。教習所でも急制動を行う講習はあるが、ここまでしっかりと踏み込めるようになるまで練習はできない。さらに速度を変化させることで、意図したアクセルとブレーキ操作を行うこと。そして、状況で滑走距離や制動距離が延びることも学んだ。
危険回避では、まずフルブレーキ状態でのステアリング操作を体験。これはフルブレーキ状態でのステアリング操作をしても、クルマが直進してしまう危険性を学ぶのが狙いだ。飛び出しや落下物など日常走行でも体験する可能性が多い状況だが、教習所では学ぶことが出来ない経験である。
しかし、ここで終わらないのが、クルマ好き親父の運転レッスンだ。ブレーキ操作を緩めることで、ステアリングの操舵を回復させることまで練習。最初はペダルとステアリング操作に戸惑っていた初心者だが、自身の運転の癖も少ないため、どんどん学習し、上達していくことが見て取れた。やはり運転も「鉄は熱いうちに叩け」ということなのだ。
ブレーキとステアリング操作に慣れた後は、コース走行を体験。プロが同上走行で手本を見せることで、速く走るのではなく、コースに合わせたスムーズな運転操作を学ぶ。もし操作に無理があると、コースの何処かでクルマの動きはぎくしゃくしたものになってしまうからだ。
これは単にクルマを走らせるのではなく、操ることで安全かつスムーズな運転ができることを知ってもらうことが目的。コースには、S字やタイトコーナーなど複数のコーナーが含まれているので、進入速度やステアリング操作を変化させなくてはならない。ここでは先ほどのペダルとステアリング操作の練習が活かされ、クラスメイトの二人の走りが次第にコース上での綺麗な流れとなっていくことが感じられた。
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